勝利者インタビューを受ける疲労困憊した顔も、ずっと笑っていた。大和証券Mリーグ2019、11月8日1回戦で、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)が今期2勝目を挙げた。「(インタビューを受けるのは)久しぶりで…。いつもそうですが、とにかくホっとしています」と無事にトップを守った結果に、胸をなでおろした。
この試合の対局者は起家から萩原、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)の並びでスタート。序盤からリードする萩原は東3局に七対子・赤・ドラ2の8000点のアガリ。先行リーチを受けて、その河にある7筒待ちのアガリは、危険牌を押し切って技アリのロンアガリとなった。
この際、危険牌を決して強打せず、そっと置く姿勢にはこの日の解説を務めていたKADOKAWAサクライナイツ・内川幸太郎(連盟)も「これは強い!この後、この手でずっと押し続けるわけですから、アガリやすい方で行った方がいいですよね」と感嘆の声を上げた。コメントも「いいぞハギー」「ハギー魅せたね」「がんばれハギー!」とエールが巻き起こった。結果は先行リーチをかけていた高宮からのアガリとなったが、他家からも河に放たれていた可能性が高い7筒での打ち取りは玄人好み。「魅せて勝つ」ことを常に意識する萩原にとって、面目躍如の一幕となった。
昨シーズンは最下位に終わったTEAM雷電。そこからの「反攻」という意味で萩原は、開幕前から「アベンジしますよ!」と言い続けている。2012年に映画の「アベンジャーズ」が公開されてから、この言葉自体は日本でも知る人が増えたが、2度目のドラフト会議を経て昨年と同じメンツ3人で臨む雷電「アベンジャーズ」は、黒沢咲(連盟)のサプライズ結婚報告トップに始まり、瀬戸熊直樹(連盟)がここまで3勝と“暴君”の復活を見せ、さらにこの日の萩原もしぶとく今期2勝目。昨年創設されたMリーグのチーム戦をここまで戦い、萩原は孤高の強豪アマチュア雀士から、正真正銘の「プロ雀士」として成長を続けている。「助け合っているうちに、もっと強いチームになるんじゃないかと思う」。その伸びしろは、まだ先が見えない。
【1回戦結果】
1着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)3万7700点/+57.7
2着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)3万1700点/+11.7
3着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)1万9300点/▲20.7
4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)▲1万1300点/▲48.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






