いつもと違う気迫、そして円熟味あふれる手順は、今期3度目の役満を生み出した。大和証券Mリーグ2019、11月14日1回戦で、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)が役満・四暗刻をアガるなど大きく加点に成功、今期4勝目を挙げた。
この試合の対局者は赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)、沢崎、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)の並びでスタート。
沢崎は東3局に狙いすました5索単騎待ちで三暗刻をリーチでツモアガリ。この8000点に加え、南1局2本場にはリーチ・ツモ・四暗刻の3万2000点(+600点)をアガって大トップ目に。その後も要所で“らしい”アガリを見せ、今期4勝目を獲得した。
解説のTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)はこの日の沢崎を見て「いつもより気迫が出ている。絶対やってやるって顔してますから」と表現。5索単騎の一発ツモを見せられた際には数秒間の絶句。ベテランの読み・手作り・そしてアガリまでの凄みあふれるプレーに思わず苦笑するような場面もあった。
四暗刻ツモの際は役満テンパイにならない手順を捨て、一撃必殺の大物手へ一直線。最終形が3・5索のシャンポン待ちになった際には「5索が待ちになったらリーチと思っていました。三暗刻も5索でしたし、今日は5索がいいかなと」と、5索がこの試合の「アヤ」と感じていた思考を説明した。役満成就となった際はコメント欄も大騒ぎ。「化け物かよ」「キター!!!」「マムシの恐ろしさ」と賑わい、その強さには「なんで去年のドラフトで選ばれなかったんだよ」との声も。
またオーラス2本場、魚谷に1万2000点(+600点)を放銃した際は慌てる様子もなく、アガリトップとなった状況でメンゼン手順よりホンイツ仕掛けが速いと悟ると、沢崎らしい仕掛けから、“最速最強”の異名で知られる渋谷ABEMAS・多井隆晴のお株を奪うような「最速で最高の打点」となるアガリを決めた。
普段から対局中も勝負を楽しむような、余裕すら含む笑みを見せる沢崎。この日は異名でもある“マムシ”どころか大蛇のような迫力を伴い、同世代の前原を落とし、デビュー戦を大逆転勝利で飾った新星・丸山には四暗刻で強烈な親被りを食らわせ、オーラスは粘る魚谷も自身のアガリで振り切る快勝劇だった。
インタビューの締めには年内の個人スコア目標を「+300」と宣言。チームの快進撃の中心にはこの“マムシ”の迫力ある攻めがあり、試合のたびに着実にポイントと新規ファンを獲得している。
【1回戦結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)5万1800点/+71.8
2着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)3万9500点/+19.5
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)6700点/▲33.3
4着 赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)2000点/▲58.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)