試合直後、紅潮した頬にこの日の意気込みが表れていた。大和証券Mリーグ2019・11月21日の第2試合で、渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)が今期2勝目を挙げた。
この試合の対局者は日向、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、U-NEXT Pirates、石橋伸洋(最高位戦)の並びでスタート。
東場から「普段はやらない仕掛け」を駆使するなど、積極的な攻めが奏功。4万点超えのトップ目で迎えた南2局、落とし穴が待っていた。石橋のダマテンに痛恨の1万2000点を放銃。点棒を払い終えると険しい顔つきになり、視聴者からは「オコ」「怒ってるね」とプンプンに怒ったような表情についてのコメントが並んだ。
しかし挽回の機会はすぐに訪れた。南3局1本場、石橋からリベンジを果たすタンヤオ・七対子・赤の6400点(+300点、供託1000点)のアガリ。一見良さそうな六万単騎待ちを3筒に替えたことが大正解。この試合を解説していた土田浩翔(最高位戦)は「六万待ちも良く見えるんだけどね、替えて良かったですね」と日向の好判断を称えた。日向はこれでトップ目に立ち、そのまま今期2勝目を獲得となった。
この勝利でチームはこの日2勝、6位浮上となった。対局後は赤いチークのメイク姿をさらに紅潮させ、感極まる姿を見せた日向。石橋への放銃の際には「やっちゃった!」と動揺した心境を告白。その後に逆に石橋さんからアガったときは「恵まれていました」と謙虚に語った。
前節、チームは苦しい2ラス。是が非でも取り返したいこの日の試合だったが「チームとしてはまだまだやれるんだぞと、ファンのみなさんを安心させることができました」。また、1回戦でトップを獲得した白鳥翔(連盟)をみんなで「翔ちゃん最高だよ!」と褒めていたことも話し、「私も褒めてもらおうと思います」と終始明るく語った。
前回の登板では4着、さらにその前には愛する祖母を亡くし「これだけ近い人を亡くしてしまったことが初めてだったので。今でも涙が出てきちゃうんですけどね…」と、長期リーグを戦っていく中で、試合に集中するメンタルの難しさも吐露していた日向。膨らむマイナスの中でチームも苦しみ、また自分も公私ともに辛い時期を過ごした。それでもインタビューの最後に「白鳥さんから勇気をもらった、チームとして絆も深まった」とチームメイトに背中を押された試合前の出来事を口にすると、この日一番の日向スマイル。チームの逆境を結束力で盛り返し、最下位から脱出。巻き返しの機運高まる一日となった。
【2回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)3万7800点/+57.8
2着 U-NEXT Pirates、石橋伸洋(最高位戦)2万8500点/+8.5
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)2万2800点/▲17.2
4着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)1万900点/▲49.1
【11月21日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +313.0(32/90)
2位 EX風林火山 +190.2(32/90)
3位 U-NEXT Pirates ▲16.7(34/90)
4位 セガサミーフェニックス ▲43.5(32/90)
5位 TEAM雷電 ▲54.5(34/90)
6位 渋谷ABEMAS ▲94.3(34/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲102.6(32/90)
8位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲191.6(34/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)







