24日に横浜アリーナで開催された"K-1冬のビッグマッチ 第1弾 横浜"「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり~」。そのメインイベントをKOで締めたのは21歳の新鋭・江川優生。フェザー級トーナメントで3試合連続KO勝利での優勝。しかもすべて1ラウンドでの決着という凄まじい勝ちっぷりだった。
K-1の新たなスター誕生と言える優勝劇。その直後にインタビューを受けた江川は「KRUSHのチャンピオンではありますけど、K-1のベルトは別格ですね」と笑顔を見せた。さらに対戦相手を称える謙虚さも。
「この見た目で話しかけにくいって言われるんですけど、むしろ自分が人見知りでなかなか話せないんですよ」
そう言って苦笑する姿は21歳の若者らしい。しかしリング上では一転、どう猛なファイトを見せる。準決勝では相手がバックキックを蹴ってきた直後に同じ技を返し、悶絶させてノックアウト。「カカトが深く入った」という強烈な一撃は「最初からイメージがあったんですけど、相手が先に蹴ってきたので。ヒントをくれた感じです。じゃあ俺もやってやろうって」。そんなひらめきも江川の武器なのだろう。
このトーナメントに向け、どれだけ特別な練習を積んできたのか。そう聞いてみると「今回が特別ということはないです」という答えが返ってきた。「普段の練習、生活と同じことをしてきました」。逆に言えば、それだけ江川が所属するPOWER OF DREAMでは普段から厳しい練習に取り組んでいるということだ。
「自分と武居由樹くん、それにKRUSHに出てる中野滉太の3人で、会長の家で一緒に暮らしてます。そういう環境もデカいんだと思います。“家族感”が強いのがいいところだなって」
外泊禁止など生活面でのルールもあり、武居も江川も中野も、今はとにかく格闘技に集中している。古川誠一会長の選手を見る目は確かで、なおかつ厳しい。今回のトーナメント、江川は「40点」と採点されたそうだ。しかもそれが「20点」に下方修正された。その理由は……。
「準決勝でバックキックを先に出されたので。“真似しただけだろ”と」
さすがに笑うしかない江川だったが、では100点になったらどれだけ強いのか。期待を膨らませて待ちたい。