11月26日、厚生労働省が制作した「人生会議」PRポスターが物議を醸し、各自治体への発送が中止された。
ポスターの内容は「まてまてまて、俺の人生ここで終わり？ 大事なこと何も伝えてなかったわ」から始まる、自分の意志を十分に家族に伝えていなかった後悔を感じさせる内容のセリフが書かれており、公開されるとSNSでも「何を考えているの？ 怖がらせて啓発？」などという批判的な意見が集まっていた。
全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、同ポスターに対し「『人生会議』は終末期だけを考えるのではなく、患者が自分らしく生きることを支える試み。このポスターは“支える”という部分が欠けていて死ぬ直前の部分しかない。これは『人生会議』というよりは、『死に方会議』のポスターです」とコメントしている。
厚生労働省は今回の判断について「患者や遺族を傷つける内容であるといった意見を頂戴している。こうした意見を真摯に受け止め、掲載を停止させて頂き、改めて普及・啓発の進め方を検討していく」とコメントしている。
プロデューサーで慶応大学特任准教授を務める若新雄純氏は「戦後の日本は『死ぬ』ということを遠ざけすぎていたので、それを自分のこととしても考えるべきだし、家族のこととしても考えるべきかなと思う。死ぬっていうことはキレイ事じゃないので、オブラートに包みすぎても議論が進まない部分もあると思うので、必要なチャレンジはしたポスターだと思う」と、「人生会議」についての議論は必要との私見を述べた。
続けて若新氏は「死というテーマでは必ず人が傷ついたり、悲しみというがセットになるので、だから触れないという選択が無難ではあったと思うんですけど、そこはやっぱり『一歩踏み込みましょう』という提案（のためのポスター）なので、堂々と賛否をぶつけ合えばよかったのに、なかったこと（発送中止）にするのは残念」と、厚労省が早々とポスターの公開を取りやめたことには苦言を呈した。
（AbemaTV／「けやきヒルズ」より）
▶【動画】「人生会議」ポスターに物議で発送中止
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