「実家を出ていくつもりはない」少子高齢化時代、結婚せず、親元も離れない中年男性“子ども部屋おじさん”はアリかナシか?
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 50歳までに一度も結婚したことがない人は増え続け、男性では約4人に1人となっている。中でも親元を離れず子ども部屋に住み続ける中年男性を指す“子ども部屋おじさん”という言葉が様々な媒体で使われ、ネット上での流行ワードにもなっている。

  41歳の竹内さん(仮名)もその一人で、神奈川県の実家で70代の両親と暮らしている。居室は幼少時からの“子ども部屋”。竹内さんが「自分という歴史の書庫という感じだ」と話す室内には、80年代のファミコンソフトや攻略本、90年代のシングルCDなどが並び、さながらタイムスリップしたようだ。

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 大学卒業後、パソコン部品の販売会社に就職するも25歳で退職。以来、この部屋でアダルトゲームを製作し、ネットで販売している。しかし日雇いのアルバイトも含め、年収は100万円ほど。一人暮らしは難しく、生活費も現役で働く父親(70代)に頼らざるを得ない。それでも両親は竹内さんに対し、出ていくように言ったことは一度もないという。

 普段から、母親が購入、畳んで用意してくれているというネクタイとワイシャツ姿で暮らす。「いつか働きに行って欲しいという思いからではないか」と尋ねると、「そんな遠回しなメッセージはないと思う」。

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 自身のことを揶揄しているとも受け止れる、“子ども部屋おじさん”という言葉についても、「すごい言葉を持ってきたな、というくらい。自分も当てはまるのだろうが、それで傷つくというようなことは考えたことがない」と話し、これまで女性との交際経験はないが「もし結婚することがあっても、実家に住み続けられればありがたい。家賃が浮くというのもあるが、あまり出たくない」とした。

 さらに将来についても、「お金持ちになれれば新しい家を買いたいが、親とこの子供部屋をそのまま移動させると思う。小さい頃から親と一緒にいなかったことはないので、それが当たり前だ。これから親も色々あると思うし、自分1人になることもあると思うが、実家からは出ない。最期の瞬間まで、この部屋にいるんだろなと思っている」。

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 番組では、もう一人の男性にも話を聞くことができた。実家での取材は断われたが、外で話だけなら、という条件で取材に応じてくれた永井さん(仮名、35)は、東大卒・外資系保険会社勤務という、いわゆる“ハイスペック男子”だ。年収は約1000万円だが、家賃がもったいないとの理由で実家暮らしを続けている。月10万円を実家に入れ、20万円を自分の趣味などに充てて、残りの20万円を投資や貯金に回す。永井さんもまた、両親から面と向かって家を出るように言われたことはないという。

 「家と職場を往復するばかりという感じで、出会いは会社員になってからは全然。パートナーいない歴10年以上。焦りみたいな気持ちはあるし、もし家庭を持てば実家を出るつもりはある。でも、仕事もそれなりにやっていて、体も健康なので、今は正直これで良い。ただ、これが独身のまま退職して、70歳くらいになった時、後悔しないかと言われれば、後悔するだろうと思う」。

■母親のあり方に原因も?

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 2人の話を受け、結婚したばかりのタレントの倉持由香は「親が旅立っていくことを考えたら、何でもやってもらって、甘やかされたままだというのは心配にならないのか。私は実家が貧乏で子供部屋が無かったので、早く出ていきたかった。18歳くらいからは事務所に居候をしたりしたくらいだし、初めて一人暮らしを始めたときは、怒られないので全裸でゴロゴロした(笑)」と振り返る。

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 同様の男性を取材している教育・介護アドバイザーの鳥居りんこ氏は「竹内さんは傷つかないとおっしゃっていたが、侮辱しているような感じのする、かなりえぐい言葉だなと思っている。竹内さんのようなケースは特殊なものではなくて、ごく普通にいる。家賃が高いから実家を出ていかないというのは、合理的ではないか」と話す。

 その上で鳥居氏は「お母様たちに特徴がある」と指摘する。

 「取材をしていると、お父様は企業戦士で、お母様は専業主婦、という家庭が多い。その中で、母と子の共依存という問題が出てくる。相手をしてくれないお父様に代わって、子どもにガーッといく。あるお母様は、息子を“小さな彼氏”と呼んでいた。そのように育てられれば、息子は居心地が良すぎて家を出られない。ある息子さんは、“うちのおかんよりいい女はいない”と言い切った。“物をねだらない。どこかに連れて行ってくれと言わない。何も言わなくても飯も出る。風呂もある。自分の機嫌が悪い時はほっといてくれる”と。そんな息子に対し、昔は“出ていきなさい”というお母さんも多かったが、“いいんじゃない、居て。家賃もったいないじゃない”と囲う。子どもがいると楽しいし、将来の介護もできればして欲しいという思いもあるからだろうが、私は“ハイジャック母”と呼んでいる。そういうお母様たちに言いたいのは、お子さんの人生を自分が乗っ取ったらダメですよ、ということだ」。

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 クリエイティブディレクターの三浦崇宏氏は「僕は言葉を作る仕事をしているが、“子ども部屋おじさん”というのはすごくネガティブな意味で、メディアが敵を作って数字を稼ごうという雰囲気を感じる。これは“実家暮らし”だ。人にはそれぞれの幸せがあり、人口減少時代にはこういう形も合理的だ。家族の絆が強ければこういう男性は増えていくだろうし、親だって孫がいなくても幸せなら、人がとやかく言うことではない。覚悟があるなら、バイトしながら夢を追う人生だって素晴らしい。それをご家族がサポートしているという見方をすれば、“40代のドリーマー”と呼んだっていいんじゃないか」と指摘。「ただ、勝手な心配だが、今はお父様、お母様がご健在で、収入もあるという状況なので問題ないと思うが、やはり人生の先輩なので先に出発されると思う。そうなった時の生活能力は大丈夫なのかだろうか」と懸念もしていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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“子ども部屋おじさん”と言うパワーワードの裏に隠された“共依存問題”とは
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