固く守り、トップが舞い込んだ。大和証券Mリーグ2019・11月28日の第1試合で、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)が今期5勝目を獲得した。
この試合の対局者はセガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、白鳥、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)の並びでスタート。白鳥は東2局1本場、タンヤオ・赤3の1万2000点(+300点)をツモアガって抜け出す。そこから白鳥は二の矢、三の矢と放ちたいところだったが、道中の主導権は瀬戸熊のアガリを2度もアタマハネで潰し、加点に成功した沢崎に持っていかれてしまった。
その後、瀬戸熊の連続満貫のアガリ、またオーラスも茅森の満貫ツモなど実力あるライバルの高打点の攻めが続いたが、白鳥はトップ争いから脱落することなく歩みを進めた。オーラスは瀬戸熊にマクられるも、1本場に素点回復を狙った4着目茅森の満貫をトップ目瀬戸熊が親被り、これにより1000点差で順位が替わった白鳥に、トップが舞い込む珍しい結果となった。
結局、白鳥は最後まで致命傷を負うことなく、弾幕をしっかり回避。どうしても加点したい場面でも、自分の手が攻めに向かないとなると丁寧に回し打ち。あくまでベタベタにオリてしまうのではなく、隙あらば攻勢に転じられるような、手組を壊さないタフな姿勢。まさに真冬の湖を舞う白鳥のように飛びきった結果が、薄氷の勝利に繋がった。
派手さはないが白鳥の実力が光る1勝。チームリーダーであり、攻守のバランスに長けた多井隆晴(RMU)の薫陶を受けていることもあってか、決して無理をせず、常に守備を意識した慎重な打ち回し。インタビューでは「チャンスがあれば攻めようとはずっと思っていました」と語った。自分の手が勝負に見合わないと悟るとすぐに手仕舞い、それでも形式テンパイは目指し手を崩さないしたたかな手順に、試合中のコメント欄には「翔やんがエースやん」「翔ちゃんトップとってー」と賛辞やエールが並んだ。
今年の調子を聞かれると、白鳥は昨年の不調から完全に脱却したことを宣言。またチームリーダー多井が急病でスタジオに来ていないことを明かし、その間も穴を埋めるがごとく頑張るとファンに誓った。昨年度MVPのリーダー不在も、チームはポイントを伸ばす。選手層は確実に暑くなった。
【1回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)2万9600点/+49.6
2着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)2万8600点/+8.6
3着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)2万2600点/▲17.4
4着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)1万9200点/▲40.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)







