大丸梅田店の「生理バッジ」中止問題、トライ・アンド・エラーが受け入れられる日本社会に
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 「うわっ、キモい」「男女問わず体調不良バッジでええやん」「いや、生理の理解に一石を投じた」。老舗百貨店、大丸梅田店がネット発の人気漫画『ツキイチ!生理ちゃん』とのコラボ企画として実施した“生理バッジ”の着用が賛否両論を呼んでいる。

 この取り組みは働きやすい環境づくりに繋げることを目的として、生理用品などを販売するゾーン「michi kake(ミチカケ)」のオープンに合わせて22日から始まったもの。婦人服フロアの女性従業員が任意で名札の下に自身の生理について掲出、男女問わず生理や体調についてのコミュニケーションが円滑になったという。

 ところが来店者からは「お客様に知らせるべきではないのではないか」「従業員のプライバシー侵害ではないか?」「別の方法の方がいいんじゃないか」といった意見が寄せられ、大丸では26日に使用を中止する方針を決定。現在はスタッフ同士で意思表示できる別の方法を継続しているという。この判断に、「有志で実施しましょうの試みが批判で中止されてしまうというのは不思議ですよね」「生理の話がタブーという概念を覆しうるという意味で大丸さんを応援してたのに」「体調が思わしくない時には休憩がとれるシステム等が先だったのでは」と残念がる声も少なくない。

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 「michi kake」の取り組みを良く知る「ウツワ」代表のハヤカワ五味氏は「michi kakeはフェミニンケアや性に関する商品のお店が集まっているコーナーで、そこは閉じられた空間として配慮される作りになっている。だからそこの販売員だけが対象であれば問題とはされなかったのかもしれない。また、実際にどのくらいの人が使っていたかはわからないが、やはりプレスリリースをしている時点で、どこか任意とは言い切れない部分もあったかもしれない。そのリリースも話題作り的にやってしまったところがあるので、巻き込まれた販売員の気持ちを考えているのか、と感じた人もいたのではないか」と指摘する。

 その一方、「お客様のご意見を取り入れていかなければいけないというのは百貨店の性かもしれないが、少なくともお客様ではない外野の意見は気にせずに継続したらよかったのに、と個人的には思う。もっと言えば、生理をオープンにすることが目的だったんだっけ?ということも、みんながモヤモヤする点なのかもしれない。話しやすいこととオープンにすることは違うし、話せることと話させることも違う」とした。

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 紗倉まなは「風をひいた時には他の人に自然に話せる。それと同様に、自分が生理であることをナチュラルに伝えられる環境になるのはいいと思う。ただ、今回のバッジを導入した意味や目的が私にもまだわかっていない。人によって個人差があるものなので、相手に求められることも変わってくる。やはり相手がどう受け止めたらいいのか、という点でモヤモヤする要素があったと思う。ただ、これをきっかけに、生理の話をすると炎上するから、めんどくさいから自粛しようとなってしまうとしたら残念だ」。

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 フリーアナウンサーの柴田阿弥は「“生理なんです”と提示された男性はどうすればいいのかわからない人も多いと思う。そこは対応についても併せて示してあげればよかったのではないか。ただ、母からは昔は生理痛で仕事を休むなんてありえなかったと聞いている。と聞いている。その意味では、こういう話を会社でできるようになっただけで一歩進んだのかなは思う」とコメントした。

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 慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は、「研究でも仮説と検証がなければ成り立たない。それなのに、数日だけでありかなしのジャッジがいきなり求められるのは酷だ。日本全体に、“これはお試し期間中です”のような感じで、失敗すること、批判も含めて意見を集めることへの余裕がないと、何もできない。トライ・アンド・エラーが受け入れられる社会になればいい。加えて言えば、よほど学校の保健体育の授業が酷いとも言える」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:職場で自主開示"生理バッジ"着用に賛否両論

職場で自主開示"生理バッジ"着用に賛否両論
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