ライバルを圧倒し、ゼウスがズバズバと選択を正答した。大和証券Mリーグ2019・11月29日の第2試合で“ゼウスの選択”の異名を取る赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)があと少しで“完全試合”という内容で今期4勝目を獲得した。
この試合の対局者はKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、鈴木、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)の並びでスタート。
東1局から6400点を先制すると、東3局3本場にはリーチ・一発・ツモ・ドラ・裏ドラ3の1万2000点(+900点、供託1000点)のツモアガリ。これで大量リードを築くと、それぞれの親番に対して守備的なケアを見せ、決して無理せず、かつ加点にも成功し、最後まで危なげなくトップで終了した。
東場の親番ではあえて派手な仕掛け、ライバルを下ろしてテンパイ料の獲得に結び付けた。南入してもペースは変わらず、朝倉から南1局に8000点のアガリを取るなど高打点も連発。南2局3本場に朝倉へ放銃するまでアガリは鈴木にしかないという“完全試合ペース”で進行した。
インタビューではまず「自分でもツキすぎてもったいないなと思うくらい、いっきに手が入ってきました。(試合によって)分けて入ってきたらいいのにと思うくらい」とこの日の好調を振り返った。
この日の白眉は東3局3本場のハネ満のアガリ。五・八万のリャンメン待ちに受けず、發と七万のシャンポン待ちにして一発ツモ、そして七万が裏ドラになった場面。マンズの景色が抜群に良く、ドラが1枚あることからリャンメンに手広く受けるのがマジョリティーになりそうな手で、鈴木はほぼノータイムでシャンポン待ちリーチを選択。一発ツモは望外も、打点と何よりインパクトは強烈の一言。ここから鈴木は卓を支配、誰にもアガらせずに勝ち切る完全試合達成間近のゲーム運びを見せた。
リーチ選択以外の部分、特にVS親に関する思考では繊細さも見せた。「Mリーグの親番のリーチは平均打点がめちゃめちゃ高いから、仕掛けて打点が見えないとこっちはリーチしにくい」という理由で、配牌からある白のカンツをすぐに1枚外し、柔軟な対応を見せる場面もあった。
打牌選択の精度に加え、その日の運と噛み合えば、今度こそ完全試合をやりかねない、そう視聴者に思わせる完勝劇。チームはこれで5位浮上とした。
最後にはおよそ900人が集まるパブリックビューイングが間近に控えていることに触れた。このイベントでは順位が上のチームのファンが、モニターから見て前の席に座るという決まりになっているとして「少しでもいいところでファンに見て欲しいと思っています」と語り、中盤戦に向けてさらなる躍進をファンに約束した。
【2回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)5万5600点/+76.6
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)1万8400点/▲1.6
3着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)1万8200点/▲21.8
4着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)6800点/▲53.2
【11月29日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +222.5(38/90)
2位 EX風林火山 +73.5(38/90)
3位 渋谷ABEMAS +45.7(38/90)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲24.6(38/90)
5位 赤坂ドリブンズ ▲28.4(38/90)
6位 TEAM雷電 ▲40.0(38/90)
7位 セガサミーフェニックス ▲99.1(38/90)
8位 U-NEXT Pirates ▲149.6(38/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






