「中村さんの命を奪った人は誰であろうと我々の敵」 アフガニスタン人の追悼コメントを翻訳して見えた“偉大さ”
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 アフガニスタンで長年にわたり支援活動を続けてきた医師の中村哲さんが4日、何者かに銃撃され死亡した。また、一緒にいた運転手やボディーガード、通行人の合わせて5人も犠牲となった。

 NGO「ペシャワール会」の現地代表の中村さんは、30年前から医療団の一員として、アフガニスタンの医師のいない山岳地帯などで医療支援を行ってきた。しかし、活動を続ける中で「医療だけでは人の命は救えない」という思いを強めていった。

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 きっかけは、2000年にアフガニスタンを襲った大干ばつだ。2016年に日本記者クラブで行った会見で、「水がないということは食べ物が取れない、栄養失調になる。そのために体力が落ちてどんどん死んでいく。私たちとしてはいくら薬をつぎ込んでも飢えや渇きは治せない。職に困れば傭兵となって出ていくということが普通のスタイル。干ばつに対する対処でこういう人々は減っていく。実際私たちの作業地は最も治安のよい地域で、ほとんどトラブルがない」と語っていた中村さん。これまで1600本の井戸を掘り、東京ドーム約4000個分相当の1万6500ヘクタールの農地を回復した。

 アフガニスタンの復興に尽力した中村さんの突然の訃報に、ネット上では中村さんの名前のハッシュタグとともに、現地の人々などからのコメントが相次いでいる。

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「地球上でこんなにも自国民を苦しめる国民は他にいないだろう」

「中村さん、あなたは偉大な人です。その価値を分からなかった人がいたことを申し訳なく思います」

「アフガニスタンでは中村さんのことを『中村おじさん』と呼んで慕っていました。長年アフガニスタン復興のために貢献してくれていました。しかしその命が奪われてしまいました。英雄として天国で穏やかに過ごせるよう祈っています」

「今日、共通の敵が中村さんというアフガニスタンの美しさを奪っていった」

「アフガニスタンのために尽くしてくれた中村さんの命を奪った人は、例え誰であろうと我々の敵です。人はいずれ、亡くなるものですが、彼は我々アフガニスタン国民の心の中に永遠に生き続けています」

「先進国の日本から来てくださり、砂漠だったこの地球を緑豊かな果樹園や美しい公園にかえてくれた。中村さんの命が我が国で奪われてしまったことは、非常に残念でなりません。我々を許してください。と口にできない程、悲しみに溢れています」

 中村さんの写真やイラストとともに寄せられた、謝罪や感謝の言葉。白衣を脱ぎ、泥にまみれながらアフガニスタンのために尽くした中村さんの功績は、多くの人に届いていた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

映像:「100個の診療所より1本の用水路」中村医師が残した言葉

「100個の診療所より1本の用水路」中村哲医師が残した言葉
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