「本当に感無量ですよ。謎多きチームとしてやってきて、1回戦で3人抜きして、まだ隠してる選手がいるっていうね。こんな完璧なシナリオあるのかって。魔裟斗さんのチームに勝っちゃいましたよ」
 城戸康裕は、自分の試合以上とも思えるようなテンションで勝利を喜んでいた。11月30日、新宿FACEで行われた『格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR』のトーナメント1回戦である。
 賞金とK-1とのプロ契約をかけての団体戦トーナメント。そこに最後にエントリーしてきたのが「SKR連合」だった。佐藤嘉洋、城戸康裕、梶原龍児の3人が監督を務める連合チーム。準備期間は他より短く、相手チームの監督・魔裟斗からは「3バカ」と呼ばれもしたが、結果は圧勝だった。出場選手は試合当日まで隠し、その上で最初に出てきた先鋒の古宮晴が番組史上初の3人抜きを達成したのだ。まさに「完璧なシナリオ」だった。