これが“最速最強”の集中力だ。大和証券Mリーグ2019・12月13日の第1試合で、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)が今期4勝目を獲得した。早々に抜け出すと最後までトップを譲らない横綱相撲で、現役随一の雀力を改めて見せつけた。
この試合の対局者は多井、U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)、赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)の並びでスタート。
東1局、仕掛けて2900点のアガリで先制。その後も加点を続け、決定打の登場は南1局2本場に白・赤ドラ2の7800点(+600点、供託1000点)。これでスコアは5万点を超え盤石に。最後は2着争いの3者を相手に、無難なゲーム運びを見せ今期4勝目とした。
これまで日本シリーズ、RTDリーグ他多数のタイトルを手にしてきた多井だが、実は女流を相手にすると分が悪いというデータがあった。この日は女流3人との対戦だったが、その流れを払しょくする快勝劇。ファンも「最速最強!」と喝采を浴びせた。
インタビューで多井は「顔を上げずに、相手の顔を一切見ないで集中しました」と語った。相手の表情、また挙動などをそれとなく観察し、読みに取り入れるのも麻雀というテーブルゲームの側面。また対戦相手への研究心にも優れる多井は、その観察眼も非常に巧みだが、あえてこの試合ではそれを封印、独自の作戦を取り、見事に勝利を得た。
この試合に際しては「どうしても今日は勝ちたいと思っていたので」と打ち明け、その理由については「チームが好調なのは白鳥が勝っているからで、白鳥ばかりに負担をかけたくない、自分もスコアを増やして気楽に打たせたいと思っていました」と、フォアザチームの精神あふれるコメントで説明した。
女性相手が苦手なこれまでのデータを書き換える快勝劇とあって、今後の試合にも視界良好。「読みもピントが合って、手応えがあります」と絶好調宣言が出た。ファンからは祝勝コメントに加え「勝つべき時に勝てるのがさすが多井だよ」と、その勝負強さを立てる言葉も贈られていた。
【1回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)5万2600点/+72.6
2着 赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)2万7200点/+7.2
3着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)1万7000点/▲23.0
4着 U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)3200点/▲56.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)








