アガれない時間をどう打ち回して凌ぐのか。大和証券Mリーグ2019・12月16日の2回戦で、EX風林火山・勝又健志（連盟）は一度もアガリは無かったが、徹底した守備力で2着を取った。
EX風林火山はこの日の1回戦で、滝沢和典（連盟）がマイナス3万2800点、4着フィニッシュで▲92.8ポイントを減らしていた。何が何でもトップが欲しい状況と思われたが、勝又は冷静だった。
対局者は起家からTEAM雷電・萩原聖人（連盟）、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり（連盟）、セガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）、勝又。
勝又は東1局6巡目、ヤミテンに構えていた近藤の一気通貫・赤2につかまり、8000点を放銃というビハインドからスタートした。
その後はアガリが見込めない、もしくは押し返すだけの待ちの強さも打点も見合わない我慢の展開が続いた。勝又は早い巡目から不用意な放銃だけは避けようと、受け駒を溜め込む鉄壁の打ち回しを随所に見せ、南4局を迎えた。
この時点での持ち点は、トップ目だった近藤が5万1400点、2着目は萩原で1万7000点、3着目が勝又で1万6500点、ラス目が高宮で1万5100点。最終的には高宮が萩原から1000点をアガってラス抜けしたことで、勝又はアガリこそ一度もなかったが、2着でフィニッシュ。苦しみながらも▲3.5とマイナスポイントを最小限に抑えることに成功した。
Mリーグでは、ダブロン（2人同時ロン）は採用されていない。「4人で対局する中、アガって加点出来るのは常に1人。残りの4分の3を占めるアガれない時間帯をどう凌ぐのか。その多くの局面でいかにリスクを抑え、かつ得をしていくのかに関しては、風林火山が一番」と勝又は自負している。
特に長期リーグにおいては、仮にラスを引いた後でも、慌てずに安定した順位を取ることこそが、最終的には好結果につながる。この術を勝又は所属団体の最高峰リーグであるA1リーグで培ってきた。「A1リーグに上がるまでは昇級することが大事なんですけど、上がってからは降級しないで残留することもやっぱり大事」とリスクを抑えた打ち回しも折り紙つきだ。
まさに経験値を最大限に活かしての2着取り。ここぞという危機で受けの強さを発揮し、連続ラスだけは避けたいチームを救った。【福山純生（雀聖アワー）】
【2回戦結果】
1着 セガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）5万1400点／＋71.4
2着 EX風林火山・勝又健志（連盟）1万6500点／▲3.5
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり（連盟）1万6100点／▲23.9
4着 TEAM雷電・萩原聖人（連盟）1万6000点／▲44.0
【12月16日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ ＋269.4（48/90）
2位 渋谷ABEMAS ＋161.3（48/90）
3位 EX風林火山 ＋80.2（48/90）
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +39.0（48/90）
5位 セガサミーフェニックス ▲16.1（48/90）
6位 TEAM雷電 ▲67.5（48/90）
7位 U-NEXT Pirates ▲133.2（48/90）
8位 赤坂ドリブンズ ▲333.1（48/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（AbemaTV／麻雀チャンネルより）
▶中継：勝又健志の守備が光った2回戦
▶映像：自信が復活 モデル雀士・岡田紗佳、堂々としたウォーキングでの入場シーン（8分ごろ～）
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