12月21日に開催された『格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR』のトーナメント準決勝で、衝撃のローキックが視聴者を驚嘆させた。ゲーオ・ウィラサクレックが率いるゲーオーズと、武尊率いるTEAM武尊による3対3の勝ち抜き戦。会場を大いに沸かせたのは、TEAM武尊の大将・寺田匠だった。
寺田はゲーオーズの中堅・大関敬真と対戦。試合は落ち着いた滑り出しに見えたが、お互いにローキックを打ち合うと、大関が大きく距離をとった。
シュートボクシングの全日本王者に輝いた経歴を持つ大関の方が体は大きく10キロの体格差があり、一撃で相手を倒すパンチを持つことから優位と思われたが、狙いすました寺田のローキックは大関の足をとらえ、乾いた音が響くたびに観客は熱狂。試合を中継したAbemaTVの視聴者からは「ローだけで勝てる」「ももが赤くなってきてる」「足が折れる」といった声が寄せられた。
九州にあるジムのインストラクターをしながら腕を磨いてきた寺田。幼少期から学んだ空手歴は12年、フルコンタクト空手で培ったローキックの威力は群を抜いており、1ラウンドから大関にプレッシャーをかけて圧倒した。
解説席を務めた魔裟斗も寺田を「センスありますよ」と高評価。1ラウンド終了時には「でも寺田……現在の運動量が週2回、1回50分だけですよ」と情報を補足すると「天才肌なんでしょうね。今の僕より練習少ないですよ」と苦笑いを浮かべた。
2ラウンド開始からローキックを嫌った大関がサウスポーにスイッチ。しかしボディーや右足への蹴りを当て続けた寺田の優位は覆らず、寺田が判定勝利を収めた。
続いて寺田はゲーオーズの大将・稲垣澪と対戦。お互いのスタイルがかみ合う実力伯仲のハイレベルな勝負が繰り広げられ、結果は稲垣の判定勝利。試合後に武尊は2試合連続で奮闘した寺田について「まだまだ力を見せられてない、あんなものじゃない」と悔しさを滲ませていた。