AbemaTVの格闘リアリティ番組『格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR』決勝戦に駒を進めたのは、SKR連合とゲーオーズの2チームだ。
両チームの共通点は、絶対的なエースがいること。SKR連合は古宮晴が1回戦で3人抜き、準決勝で2人抜きを達成。決勝でも3人抜きをしたいと意気込んでいる。
一方、ゲーオ・ウィラサクレックが監督を務めるゲーオーズでは、稲垣澪がハイレベルな闘いぶりを見せている。1回戦はヒザ蹴りで鮮やかなKO勝ちを見せ、準決勝も大将として接戦をきっちり制してみせた。トライアウト時から高く評価されていた、ドラフト1位の実力を発揮している。
もちろん、団体戦・抜き試合という形式だけに“個”の力だけで勝てるものではない。対戦したTEAM武尊の大将・寺田匠は稲垣と対戦した時点で2試合目。稲垣は「仲間が削っておいてくれたから、負ける気がしなかった。チームプレーで勝てたと思ってます」と言う。
自分自身の力にも疑いはない。寺田はローキックが強い選手だったが「カット(ブロック)には自信があったので」。ゲーオからムエタイを叩き込まれ、蹴りのディフェンスもおろそかにしないファイトスタイルは抜き試合に向いているのだろう。
「試合をしていて(前回KOした)ヒザ蹴りが研究されてるなっていうのは感じました。ヒザのタイミングになるとガードを固めてきたので。でも、それをおとりにして上段のヒザを打てるなって思いましたね」
今回の試合で、稲垣はさらに成長のきっかけを得たと言えるだろう。すでに意識は決勝に向いている。
「古宮選手のことは自分なりに研究してます。ただ闘ったら負ける相手ではないとも思ってますね。今回(準決勝)も苦戦するところがありましたし」
やはり自分と古宮の“エース対決”が優勝の行方を左右すると踏んでいるのだ。この注目の闘いが、団体戦の中でどんな状況で実現するかも重要になってくる。
稲垣は番組の前シーズンからプロデビューを果たした稲垣柊の兄。柊は先日のKRUSHで黒星を喫しており、セコンドについていた兄・澪は「稲垣兄弟として連敗はあり得ない」と気を引き締めたそうだ。
「今の目標は兄弟でプロになって、同じ大会で試合をすること」
そう語った稲垣。優勝を果たせば、その夢は一気に近づくことになる。