1ラウンド1分30秒で訪れた衝撃的な結末に、興奮が沸点に達した実況が思わず声を張り上げた。
28日にドルフィンズアリーナで行われた「K-1 冬のビッグマッチ 第2弾」名古屋大会。プレリミナリーファイトの第5試合、スーパー・ライト級の松岡翔大(=ISHITSUNA MMA)と泰斗(=LEOPARD GYM)の一戦は、まるで格闘漫画のワンシーンのような結末を迎えた。
オーソドックスなスタイルが持ち味の泰斗に対して、サウスポーに構えた松岡は、右のジャブで距離をはかりながら強烈な左の蹴りを繰り出して主導権を握っていく。ミドル、ハイ、ヒザとバラエティに富んだ蹴りはどれも強烈で、1ラウンド中盤には早くも泰斗の劣勢が目立ち始める。そして松岡の左ハイが泰斗の頭上をかすめ会場がどよめいた次の瞬間、返す刀で松岡が放った右のバックスピンキックが見事に泰斗のアゴをとらえた。
バックスピンをアッパー気味にアゴにもらった泰斗は垂直に崩れ落ち、レフリーに抱きかかえられるようにKOを告げるゴングを聞いた。
15日に後楽園ホールで行われた「K-1 KRUSH FIGHT.109」においても、今回のKO劇に勝るとも劣らないバックスピンでの勝利が生まれており、AbemaTVで解説を務めたK-1の中村拓己プロデューサーは「最近のK-1ではバックスピンキックでのKOが増えている。空手のバックボーンを持った選手がK-1に対応してきたことでこうしたKOが生まれやすくなっている」と解説、補足していた。