「日本では、みんながやらないようなことをやった人が叩かれるが、その結果として、どのような影響が出るかは全く考えられていない」
現地での取材を信条としてシリアに入り、3年4カ月、武装集団に拘束された末に昨年10月に解放、帰国したジャーナリストの安田純平氏が「2019年の気になったニュース」に香港デモを挙げ、様々な観点から持論を展開した。
安田氏が「みんながやらないようなことをやった人」と指したのは、香港デモの現場で当局に拘束され、日本国内からバッシングを浴びた日本人大学生だ。安田氏自身も「自業自得」や「自己責任論」での激しいバッシングを受けた経験を持つ。
そんな日本人大学生について安田氏は「香港デモで捕まった日本の学生に対するバッシングが起きた。当初『ディズニーランドに行ったついでに捕まった』という情報が流れたが、あれは香港警察が流したウソ。香港警察として抑えたいデモに日本人が来たということを知られたくないので、本人にもそう言わせた」と話し、擁護した。
その一方、「日本のメディアや日本人がその情報に乗せられた。学生は現地のデモ隊の学生と話しをして捕まった。警察署では先に釈放される学生がいて、『抵抗の歌』が大合唱されて見送られたという。素晴らしいじゃないですか。それは捕まった彼だから見てこられるもの。記者じゃなくて、同じ立場の学生だから話せたこともたくさんある。それなのに香港警察のデマに乗せられ、バッシングになってしまった。香港警察と中国は世界中の目がデモに向くことを嫌っている。つまり、人がたくさん行った方がいい。普段、中国は嫌いだと言っていたような人たちが、捕まった瞬間にバッシングを行う。それは結局、中国政府の思うツボだ。日本では、みんながやらないようなことをやった人が叩かれるが、その結果として、どのような影響が出るかは全く考えられていない」とも話し、日本のメディアや世論に対しては警鐘を鳴らした。(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』より)
【映像】安田純平氏、日本メディアや世論に警鐘
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