ATP(男子プロテニス協会)が主催する国別対抗戦『ATPカップ』は大会3日目、グループラウンドの2戦目が行なわれ、パース会場のグループDでは、1勝0敗のノルウェーと0勝1敗のイタリアが対戦した。初戦でアメリカを破って勢いに乗るノルウェーは、シングルス2対決の第1試合で世界ランク332位のヴィクトル・ドゥラソビッチが同84位のステファノ・トラバグリアに1-6 1-6と完敗。続いて、アメリカ戦で世界ランク19位のジョン・イズナーを破ってみせた21歳のキャスパー・ルードが世界ランク12位のファビオ・フォニーニに挑んだ。

 イズナー戦では華麗な股抜きショットも見せたルード。最速220km超えのサーブを受け続けただけあって、この日はリターンがさらに冴えていた。ラリー戦に持ち込めばベースライン後方からでも鮮やかなウィナーを放ち、6-2 6-2と快勝。勢いは止まらない。「またトップ20の選手に勝てて、本当にハッピー。すばらしいシーズンのスタートだよ。もっと上の選手も倒していきたい。この先のシーズンが楽しみだ」と話した。

 ドゥラソビッチとのダブルスはフォニーニ/ボレッリのベテラン強豪ペアに敗れ、ノルウェー2度目のミラクルは起こらなかったものの、今季さらなる躍進が期待されるルードにとってシングルス勝利の意味は大きい。この『ATPカップ』では個別の勝利に対してもATPポイントが割り当てられている。ATPポイントとは各大会の成績にしたがって付与されるもので、過去1年(52週)に獲得した総ポイントによって毎週のATPランキングが決まる。テニスプレーヤーにとって賞金と同様に、場合によっては賞金以上に大切なものだ。

 今大会のポイント設定は通常の個人ツアー以上に複雑で、同じグループラウンドの1勝でも現在の本人のランキング、勝った相手のランキングによってポイント数が異なる。ルードがこの2勝で得たのは130ポイント。ピンとこないかもしれないが、参考までに、グランドスラムの3回戦までいって90ポイント、4回戦で180ポイントが与えられる。ルードの次の相手は世界5位のメドベージェフ。もし勝てば、イズナー戦、フォニーニ戦よりも10ポイント多い75ポイントが追加される。すでにトップ50突破は確実だが、今シーズンの躍進へさらに弾みをつけられるだろうか。

文/山口奈緒

【映像】ルードの快進撃が止まらない

世界テニス国別対抗戦 ATPカップ2020 - ダイジェスト - 【激戦区の3日目】ATPダイジェスト | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
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