7日にシドニーで行われたテニス国別対抗戦「ATPカップ」イギリス対モルドバの試合。この日もコート外で注目を集めたのはモルドバチームの監督だった。世界的な歌手である「エルトン・ジョン」に似ていると話題になった監督が映像に映るたびに、視聴者は大いに盛り上がった。
エルトン似の監督という、テニスの本質とは違った部分で盛り上がっているのは、日本だけではない。この日試合を観戦に来ていたアンディー・マレーの母であるジュディー・マレーさんも試合後に自身のTwitterでモルドバの監督に触れ「エルトン・ジョンはシドニーでコンサートの予定だけど、お昼にモルドバの監督をしているの?」とツイート。現役選手を巻き込んでの大騒ぎになっている。
そんな渦中のエルトン・ジョンご本人は、6日にゴールデングローブ賞を受賞したばかり。しかも9日から、ATPカップでモルドバが戦っている会場のあるシドニーでコンサートを行う予定になっている。なんというミラクルだろうか。大会公式Twitterも「ザ・レジェンド」として監督のグラサン姿を紹介。もちろんエルトンを意識しての紹介だ。
AbemaTVで実況を務めた西野恭之介氏もこの試合の総括として「エルトン・ジョンとしてね、視聴者コメントを盛り上げて頂いてありがとうございます」と監督に感謝を述べている。試合のまとめとして適切だったのかはさておき、グループCの予選ラウンドを盛り上げてくれた立役者なのは間違いない。
強敵イギリスを相手に奮闘したモルドバチームだったが、残念ながら3連敗でイギリスに敗れてしまった。これでチーム成績も0勝3敗となり、予選グループ敗退が決まり大会を後にした。来年こそは話題性ではなく、テニスで結果を出したいモルドバチーム。まずは来年の出場権の確保から、そして悲願のチーム1勝へ。モルドバチームの戦いは今日から始まる。
文/今田望未(テニスライター)