トップ確定となるオーラスの横移動を見届け、“聖母”は大きく息を吐いた。大和証券Mリーグ2019・1月9日の第2試合で、渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)が今期4勝目を獲得した。
この試合の対局者は日向、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)の並びでスタート。日向は東3局に満貫をツモるも、鳳凰位経験者2人と天鳳位を相手に一進一退の展開が続いた。
抜け出すチャンスが訪れたのは南1局、リーチ・一発・平和・赤の1万2000点を朝倉からアガってトップ目に立つ。オーラスは猛者3人からのリーチを受け安全牌に窮するも、親番で築いたリードを守り、最後は横移動を確認して今期4勝目を獲得した。
前日、チームリーダーである多井隆晴(RMU)のインフルエンザによる戦線離脱が公表された。常にセンターであり、選手の精神的支柱である多井の不在が与える影響は想像に難くない。またこの日の1試合目では“木曜日の男”白鳥翔(連盟)が痛恨の箱ラス。チームが苦境に立たされた中で、ここまで個人成績が2連続4着と不調の日向が、危機から救う働きを見せた。
インタビューでは新年初勝利に「多井さんが体調不良で来られないという中で、リーダーがいなくても頑張らなきゃという気持ちが高まっていたので、嬉しいです」と白い歯を見せた。これにはファンも「ひなたんやったぜ!」「おめでとう」と拍手喝采。また本人は「風邪で鼻声」と説明したものの、試合中の発声時におけるアニメ声は健在で、ツモアガリの時には、アガる前から、視聴者コメントで「ちゅも」待ちが発生。実際にツモった瞬間は、コメント欄が「ちゅも」で埋め尽くされるなど、放送中のファンからの応援も多かった。
チーム紅一点として盛り上げ役を担う日向が、スコア上でも大きく貢献。誰かが悪くても、違う誰かが日替わりヒーローとなるのは、強豪チームの証でもある。1児の母としても日夜奮闘中の日向がもたらしたポイントは、まさに聖母からの贈り物となった。
【2回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)4万100点/+60.1
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)3万400点/+10.4
3着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)2万9800点/▲10.2
4着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)▲300点/▲60.3
【1月9日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +273.9(54/90)
2位 セガサミーフェニックス +158.9(54/90)
3位 渋谷ABEMAS +135.3(54/90)
4位 TEAM雷電 +95.5(54/90)
5位 U-NEXT Pirates ▲60.5(54/90)
6位 EX風林火山 ▲66.3(54/90)
8位 赤坂ドリブンズ ▲462.5(54/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






