将棋界の人気女流棋士、香川愛生女流三段はゲーム通として有名だ。現在はゲーム誌「ファミ通」の連載を持ち、またYouTuberとしても活動、時にはコスプレも披露するなど、実に多才だ。そんな香川が「奇跡のゲームバランス」と絶賛するのが麻雀。数多あるゲームの中で、なぜ麻雀に心惹かれたのか。

 少女時代、将棋の道に邁進していた香川にとって、将棋以外で興味を持った唯一といっていい娯楽が、麻雀だった。プロ棋士の養成機関である奨励会で研鑽を積んでいたころのことだ。「研究会でプロの卵の方々が、本当に遅くまで将棋の研究をした後に、ちょっとだけ息抜きに麻雀をするんですよ」と、先輩が異なるテーブルゲームを楽しんでいた様子をずっと見てきた。「やっぱり勝負師だからなんですかね。勝負勘を活かすのが好きなんだと思います」。昨年末、国内最大級の大会「麻雀最強戦」で優勝した鈴木大介九段を筆頭に、プロ棋士にも麻雀好きは多い。

 魅力的なのは、そのゲームバランスだ。「将棋は平安時代からほとんど形が変わらないので、それは本当に奇跡みたいなことなのですが、麻雀も(将棋と)同じかそれ以上にすごいです」と、声のトーンを上げた。世界中には無数のゲームがあり、今なお考案されているが、このバランス調整というが至難の業。アプリとして配信されているものでも、度々調整が入るのが日常茶飯事になっている。「4人で対戦していて、運の要素も展開に関わりながら、実力もしっかり出る。実力と運のバランスが、こんな奇跡的な形で生まれるのがすごいと噛み締めますよね」と、貴重な宝石でも見たかのような語り口調だ。

 あまり運の要素が入らない将棋の世界に身を置くものとして、麻雀から学ぶことも多いという。「私、結構頭が固いんですよ(苦笑)将棋は同じ形から始まって、それを繰り返して、失敗を教訓に変えるんですけど、それに比べて麻雀は柔軟性が必要というか。『人事を尽くして天命を待つ』みたいなところは、将棋と麻雀で大きく違うところなので、そういう感性みたいなところは学びたいと思っているところです」。持てるものを出し尽くして、あとは待つのみ。腹の括り方とも言うべきか。

 覚悟の部分では“見えない敵”に立ち向かうところに、心を打たれるともいう。麻雀は自分の手牌、捨て牌が並ぶ河以外は、全て情報が伏せられている。全てが見える将棋と大きく違う点の一つだ。「見えないものが多い中で勝負に踏み込む勇気や、恐怖心と戦われている姿に、一番奮い立たされますね」と、麻雀プロの戦いぶりに感動する。あらゆるリスクをイメージし、わずかに抜けられる一本道を探して、最後は覚悟を決めて牌を切る。やはり勝負師の魂を感じられるところが、好みのようだ。

 女流棋士としてはタイトル獲得経験もあり、さらなる飛躍を目指す香川。麻雀で触れた腹の括り方、覚悟の決め方が、将棋の勝負を決める最後の一手を生み出す一因につながることがあるかもしれない。

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