将棋界の人気女流棋士、香川愛生女流三段はゲーム通として有名だ。現在はゲーム誌「ファミ通」の連載を持ち、またYouTuberとしても活動、時にはコスプレも披露するなど、実に多才だ。そんな香川が「奇跡のゲームバランス」と絶賛するのが麻雀。数多あるゲームの中で、なぜ麻雀に心惹かれたのか。
 少女時代、将棋の道に邁進していた香川にとって、将棋以外で興味を持った唯一といっていい娯楽が、麻雀だった。プロ棋士の養成機関である奨励会で研鑽を積んでいたころのことだ。「研究会でプロの卵の方々が、本当に遅くまで将棋の研究をした後に、ちょっとだけ息抜きに麻雀をするんですよ」と、先輩が異なるテーブルゲームを楽しんでいた様子をずっと見てきた。「やっぱり勝負師だからなんですかね。勝負勘を活かすのが好きなんだと思います」。昨年末、国内最大級の大会「麻雀最強戦」で優勝した鈴木大介九段を筆頭に、プロ棋士にも麻雀好きは多い。