1月18日に行なわれた『格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR』決勝大会では、団体戦トーナメント決勝のほかに10代の選手同士のワンマッチも組まれていた。10代とはいえ、今の格闘技はジュニア世代からレベルが高い。ここで実施された3試合も、トーナメント本線に劣らない熱闘となった。
なかでも目立ったのは不可思監督の「不可思団」のメンバー・小嶋良羽将(ラウス)。15歳の中学生である。小嶋は魔裟斗軍の加藤瑠偉と対戦し、判定勝利を収めた。
パンチを得意とする加藤に対し、小嶋はサウスポー対策の基本である右ミドルを軸にパンチもヒット、主導権を握り続けての勝利だった。
「いつもと違って素足(レッグガードなし)なことだけ不安だったんですけど、一発蹴ってみて“大丈夫だな”と。ミドルを効かせることはできたんですけど、そこからもっとパンチでいきたかった。瑠偉くん、強かったです」
試合後にインタビューすると、そんな感想を語った小嶋。K-1のプロで活躍する瑠久の弟であり、極真空手(ジュニア世界3位)からK-1と兄を追うような格闘キャリアを積んでいる。試合前の選手紹介映像でも兄のことが紹介されていたが、特にプレッシャーは感じなかったそうだ。
「むしろ瑠偉くんのほうが“KID2世”みたいな感じで注目されてプレッシャーだったと思います。僕の場合はあくまでお兄ちゃんなので、比べられても気にならない(笑)。兄は“一生に頑張ろう”っていう存在fですね。ただ、いつか超えたいとは思ってます」
4歳から10歳まで学んだ空手では、全国各地に遠征。各地域の強豪選手と闘ってきた。そうしたベースが、今回の勝利にも役立っているという。ただ話を聞いてみると、それ以前、幼少期どころか生まれた時点からファイターとしての道が始まっていたようだ。
小嶋は2004年生まれ。K-1 MAXが人気を博し、魔裟斗とクラウスがライバル関係だった時に誕生している。そんな世代が表舞台に出てくる時代なのだ。しかも、今回の試合で闘ったのは魔裟斗が選抜した選手。これも運命なのだろうか。
目標はもちろん、兄とともにプロのK-1ファイターとして活躍することだ。クラウスの名を背負いつつ、キャリアとしては魔裟斗にように生きたいという。
「K-1は16歳からプロになれるんですけど、でこるだけ早くデビューしたいです。早くトップに立ちたいし、長く続けてズルズル落ちる前に引退したい」
15歳、夢は広がるばかりだ。『格闘代理戦争』出場は、その夢の強力な追い風になった。