74局放銃なしという圧倒的な強さを見せる大先輩に、待ったをかけた。大和証券Mリーグ2019・1月23日の第1試合で、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)が連続無放銃記録中だった近藤に勝利、今期5勝目を獲得した。
この試合の対局者は、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、朝倉、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)の並びでスタート。試合前、SNS上で「緊張する…勝ちてえなぁ…」と正直な心中を呟いていた朝倉は、満貫のツモられと6400点の放銃で早々に危機を迎えてしまった。
しかしその失点にも決して動じることなく、南1局に近藤の記録を止める5200点のアガリに成功すると、迎えた親番ではリーチ・ツモ・一盃口・裏ドラ2の1万2000点をアガってトップ目に。リーチまでの手順にいくつものルートがあり、難しい手牌だったが見事ツモったこの局について、解説の土田浩翔(最高位戦)も「これが朝倉の麻雀、難しい手を難なくまとめる」と絶賛した。
朝倉はトップで迎えたオーラス、イーシャンテンまで進むもそこからが長い。ここでアガリを決めたのは近藤で、トップを諦めラス回避に方針変更した末の決着だった。これで近藤は今期の4着回避率100%を継続したが、マイナスを諦める幕引きに誘ったのは同じ最高位戦の朝倉だった。
前回の出場時では、勝負どころで凄みすら感じされる鋭い表情を見せた朝倉。翻ってこの試合、「勝ちてえ」と呟いた試合前のテンションを抑え、終始クールな戦いぶり。近藤のアガリを確認し、自身のトップが決まると表情は穏やか。やはり冷静に最終局の盤面を振り返っていた。
またインタビューでは「どうしても勝ちたかった」と勝利に飢えていた試合前の心境を素直に語ると、その後は難しい局面が続いた自らの手牌について淀みなく解説。「よく覚えてるなー」「情報量の多いインタビューだな」とファンもその記憶力、論理的思考力に脱帽していた。
この試合を振り返り、改めて解説の土田も「これからは俺の時代だ、というアピールをしてくれたようなゲームになりましたね」と、一戦ごとに成長著しい若手へ目を細めていた。
【1回戦結果】
1着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)3万3500点/+53.5
2着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)2万7900点/+7.9
3着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)2万4900点/▲15.1
4着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)1万3700点/▲46.3
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






