「1R、3ダウン」で宣言通りの公開処刑 “K-1の壊し屋”・山崎秀晃「Krush、愛してます」
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 これまでに数々の修羅場を切り抜けてきた“Krushの新たな問題児”が、“K-1の壊し屋”とのタイマン勝負で壮絶に散った。

 1月25日K-1シリーズ2020年の幕開けとなる「Krush110」に、K-1の壊し屋こと山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が4年ぶりに凱旋。舌戦を繰り広げていた堀井翼(ネクサスジム)を相手に1R、3ダウンを奪って新年の初を白星で飾った。

 「ゴールデンフィスト」の愛称でK-1のトップ選手の一角を担う山崎。武尊や愛鷹の同門KRESTの兄貴分で、彼らトップファイターも「クルーザー級など上の階級でも通用するパンチ力の持ち主」と語る。昨年はケガ明け8月の再起戦となった平山 迅戦に判定で勝利すると、11月の瑠久戦では1ラウンド・3ダウンを奪う初回KO勝ち。完全復活を経て、2020年は勝負の年となる。

 一方の堀井は「Krushの新たな問題児」として物議を醸してきた選手の1人だ。ビックマウスや会見での喧嘩早さ、奇行からついたあだ名が「Mr.やりたい放題」。

 本大会の直前会見でも、両脇にヘリウム・スプレーを抱えて登場すると、謎のエビ反りポーズ(自称フラッシュバック)と変顔、変声のセットでひときわ異彩を放った。自ら「股間王」と名乗り、股間に呼び出しベルを装着するという謎のバフォーマンス。度重なる挑発に、普段は穏やかな山崎の口から「殺しに行きます。公開処刑にします」の一言を引き出すあたり、場外戦では堀井が一歩リードのように感じられた。

 「煽り屋」のイメージが強い堀井だが、実は単なる目立ちたがり屋ではない。住み込みだった所属ジムが倒産、間借りしたジムでトレーニングを続け、車中泊という過酷な生活を続けながら戦いに挑んでいた。昨年6月に瑠久戦、10月にはKNOCK OUTから舞台をK-1に移した不可思と激戦を繰り広げたもののTKO負け、「踏み台的なポジションから抜け出したい……」そんなときに舞い込んできたのが今回の山崎戦だった。

 恵まれた常勝ジムKRESTで準備を続ける山崎とは正反対。いわば底辺からジャイアント・キリングを狙う堀井。「ラッキーパンチをカウンターで打ち込んでやる」と語気を荒げ、苦境から抜け出すべく望みを賭けた試合だ。

「1R、3ダウン」で宣言通りの公開処刑 “K-1の壊し屋”・山崎秀晃「Krush、愛してます」
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 試合では序盤、山崎の空手仕込みのミドルが飛ぶ。足元で急速にしなりながら伸びる蹴りからボディに一発。堀井も返す刀で左ミドルを放つが、今度は山崎の後ろ蹴り。堀井が放つ左右のフックで一瞬グラつく山崎だがここは冷静に対処し、バックハンドブローを返す。

 コーナーに追い詰めて反撃にでる堀井だが山崎は冷静に相手の出方をうかがい、狙いすましたような右を打ち抜くと堀井がダウン。気持ちで立ち上がった堀井だが、山崎のスピンキックからの流れで大きくスウィングする左フックをカウンターで貰い2度目のダウン。ゴールデンフィストを2発浴びながら、再度立ち上がった堀井だが、山崎がとどめの左フックを打ち込んで3ダウンを喫して力尽きた。

 試合後、山崎は「Krushみなさん、ご無沙汰しています、何も言うことは無いです。大好きですKrush、愛してます」とマイク。近年K-1参戦にターゲットを絞っていた山崎だが、かつては第3代ライト級王者、第4代スーパーライト級王者とKrushと共にキャリアを歩んできた。

 4年ぶりのリングは、「K-1 KRUSH FIGHT」とK-1の下部リーグ的な打ち出しから、今年大会名を「Krush」に原点回帰した大会再出発への餞(はなむけ)的な意味合いもあったのかもしれない。再びK-1の舞台に戻る山崎秀晃の復活は本物だ。一度は敗れた安保瑠輝也やゲーオ・ウィラサクレックらの討伐へ向けた勝負の2020年がスタートした。

【映像】「1R3ダウン」で宣言通りの公開処刑

山崎 秀晃 vs 堀井 翼 | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
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