子育て中のあるユーザーがネットの匿名掲示板に投稿した文章が議論を呼んでいる。
投稿主が「子どもは中学生です。小さな時からいろいろ習い事をさせ勉強する環境を整え、チャンスを与えてきましたが、本人にやる気がないのと、私に似て地頭がよくないのです。『カエルの子はカエル』悲しいけど現実です。期待するのはやめました。そしたら楽になりました。同じような方いますか」という投稿に、800通以上の賛否の声が寄せられた。
共感する声としては「期待しないほうがお互い楽になる」「子どもは親のやり直しや やり残しを取り戻す道具じゃない」「学歴つけさせたかったけど、本人にやる気がなさすぎて諦めたよ。塾だって金ドブ。何の意味もなかった」などがあがった。
反対する意見としては「子どもは(期待されていないことを)敏感に感じ取ってると思う 傷つくと思うよ」「何も期待しないで子育てするのも、ちょっと違うと思うんだけど…」「でも期待しちゃわない? 頭でわかってても、勉強頑張ってほしいなーとか いいとこ就職してほしいなーとか思っても仕方ないと思う」などがあがった。
コメンテーターの明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「難しいテーマですが、期待はある程度あったほうがいいんです。先生が子供に対して期待すると成績があがるという「ピグマリオン効果」というものが心理学であるように。親が子どもに期待してないとなると、子どもが傷つくというのはあると思います」と、心理学的に期待することは必要だと回答。
続けて「親子関係の相談はよく受けるんですが、親子で問題が起こるときのポイントとして『お互いに期待値が高すぎる』というのがあるんです。親が期待するのも親がやり残したことを子どもに託すっていうのも、子どもがうまく成長したり、自分のやりたいことに繋がっていけばそれはそれでいいと思うんです。ただ『ちょっと違うな』と思ったときに立ち止まれるかどうか」と注意点をあげた。
キャスターを務めるフリーアナウンサーの柴田阿弥は「私は独身で子どももいないんですが、世の中を見ていて思うのが、(親の)“期待”と“希望”が一緒になっちゃっている人がいるのではないかなと思っていて、期待するのはとってもいいことだと思うんですけど、誰しもそれが親であっても他者の希望のために生きているわけではないので、そこを混同してしまうと子どもがかわいそうだなって思ってしまう」と親子関係への私見を述べた。
続けて、自身の弟のことを例にあげ「弟とかを見ていると、弟はおそらく父の夢を叶えるため、父がやりたかった野球をずっと続けてきた人生だと思うので、『親が野球をやっていなかったら(弟に)違う人生もあったのかな」とは間近で見ていて思いました。(弟は野球で才能を発揮しているが)そこに至るまでのプレッシャーとかは『私には無理だな』と思うことが多かったので……。子どもの幸せを願ってのことなので、難しい問題ですが」と“当事者”としての意見も語った。
藤井氏は「いちばん大事なのは親が悩んだときに、子どもが生まれたときのことをもう一回考えてほしいんですよ。生まれたときって『元気であればいい』『自分のやりたいことをやってほしい』って思いしかないんです。そのことをたまに思い出すと、親として正しい決断だったりとか、親としてのあるべき姿が見えてくるかもしれない」と悩める子育て中の親たちにアドバイスを送った。
(AbemaTV/「けやきヒルズ」より)
▶【動画】「子どもに期待するのやめた」に賛否
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