横浜港の沖合に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。1月25日に香港で船を降りた80代の男性が新型コロナウイルスに感染していたことが判明し、3日夜から検疫が行われている。
乗員・乗客約3700人が下船できない状況の中、厚生労働省は5日、検体の分析が終了した31人のうち10人が陽性だったと報告した。10人の内訳は50代と60代が4人ずつ、70代と80代が1人ずつで、その中には日本人3人(50代女性、60代女性、60代男性)が含まれていることも判明した。
この10人は5日朝に下船し、海上保安庁の協力のもと神奈川県内の病院に搬送された。重症患者がいたかについて厚労省は「確認中」としているものの、ストレッチャーなどで搬送された患者はいなかったという。一方、残りの乗員・乗客については、ウイルスの感染が確認されていない人でも原則14日間は下船せず船内に留まることになるということだ。
いま船内はどのような状況なのか。クルーズ船に乗っている男性がAbemaTV『けやきヒルズ』の取材に答えてくれた。
船内での生活について、「室内で待機ということで、外出ができない。不自由だ」と男性。4日まではビュッフェ形式で食事をとったり船内を出歩いたりすることができたが、10人の感染が確認されたことで状況が変わったという。
また、14日間を船内で過ごすことに対しては、「持病持ちの方が多く、その薬が4日の時点で切れてしまっている人もいる。特に心臓やじんましんなどの持病の方は薬がないと困るのではないか」と懸念。バス・トイレは部屋にあり水道水も出る状態だというが、船内を出歩けないためにランドリーが使用できず衣類に困っているということだ。
男性は検体検査を受けて結果を待っている状況で、「症状がある人と、症状はないがかぜ薬を飲んでいる人などは優先的に検査の対象になるようだ。私は熱も咳もないが、乗船前からかぜ気味で薬を飲んでいて、申告書に書いたら検査となった」とのこと。
さらに、船内は電話がつながらないそうで、「インターネットでつながるキャンセルの連絡は入れているが、電話を直接かけなければならないところへはどうしようかと思っている。電話がつながらない相手はドタキャンになってしまうのが…」と漏らした。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
▶映像:クルーズ船内の状況
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