新型コロナウイルス対応で中国が誤り認めた? 「むしろ“粛清”のニュアンスを受けた」
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 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、中国・山東省で活躍しているのが「ドローン」。ドローンが街中を飛び回って、搭載した消毒液を撒くという作戦だ。歩き回る必要がないため人との接触は避けられそうだが、搭載できる量も限られており手間のかかる作業にも見える。

 また、別の地域ではスピーカーを搭載したドローンも活用し、住民との連絡に役立てているという。地元警察は「ドローンを使用して住民と話すと人との密接な接触が避けられる。これは斬新な方法で住民の間でも受け入れられている」と話す。

新型コロナウイルス対応で中国が誤り認めた? 「むしろ“粛清”のニュアンスを受けた」

 そして、ハイテクを活用した作戦を実行しているのが、広東省の病院。病院内を自動で移動するロボットは中に薬や食事を入れることができ、患者と接触することなく対応ができるという。

 一方、わずか10日間の突貫工事で完成した武漢の「火神山医院」では、肺炎を発症した患者の収容が始まっている。対応する医療チームは防護服を着用し、感染防止に厳重な注意を払っている。

新型コロナウイルス対応で中国が誤り認めた? 「むしろ“粛清”のニュアンスを受けた」

 武漢のもうひとつの大型病院「雷神山医院」も完成間近になっている。広大な敷地で無数のクレーンが稼働し、内部ではとてつもないスピードで作業が進んでいる。「このプロジェクトは昼夜問わず1週間にわたって進めている。まもなく完成する」と作業責任者。

 2つの大型の専門病院で最大2500ものベッド数となるが、まだ足りないのか、既存の施設を“仮設病院”として使う準備が進んでいる。武漢の国際展示場では多くの作業員が資材を運んでいるが、その中には広いスペースに並べられた大量のベッド。大勢の患者を収容できそうだが、それぞれのベッドに仕切りはなく、あくまで横になれるだけといった状態だ。まだ完成していないためどのような設備が投入されるかはわからないが、武漢の逼迫した状況がうかがえる。

新型コロナウイルス対応で中国が誤り認めた? 「むしろ“粛清”のニュアンスを受けた」

 『ニューズウィーク日本版』編集長の長岡義博氏は、新型コロナウイルス拡大の背景には、中国の“硬直政治”があると指摘する。習近平国家主席は「今回の対応に脆弱な部分や至らない点が明らかになった」と一連の対応に問題があったことを認めた一方で、「主要な指導幹部の責任が問われる」とも発言した。長岡氏は「初動の対応を反省している部分もあるが、むしろ地方幹部で対応を誤った人たちをこれからどんどん処分するようなニュアンスを感じた。海外メディアでも責任部分を取り上げた報道の方が多い。武漢市長がメディアで反論しているのは、いずれあるだろう粛清に予防線を張っているのでは」との見方を示す。

 そもそも、なぜ武漢市は初動を誤ったのか。武漢市は1月6日~11日の間、原因不明の肺炎についての通報を1本も流していなかった。同じ時期に年1回の政治イベントが開催されており、共産党中央にイベントの成功をアピールするために新型コロナウイルスを無視していたのだろうか。「武漢市の人民代表大会と政治協商会議という2つの大きなイベントがある時に、中国の官僚は『ボスに自分たちの大事な政治イベントが成功したということを見せたい』と考える。その最中に原因不明の肺炎が広がっていると知られるのはまずいということが頭の中に巡り、肺炎をもみ消す判断になったのではないか」と長岡氏。

新型コロナウイルス対応で中国が誤り認めた? 「むしろ“粛清”のニュアンスを受けた」

 では、力を持つ共産党中央になぜ情報をあげていかないのか。「中国の“強い父親と平等な息子たち”という家族構成が、政治構造にも持ち込まれているのではないかという研究がある。この構造では、部下はボスだけを見て、組織全体にはあまり気を払わない。逆にライベルの失敗は自分の得になる。組織全体のミスがあった時に助け合おうということにはならない。今回の新型コロナウイルスは、きちんと初動対応していればこんなに広がっていないと思う」と苦言を呈した。

 さらに、2011年に温州市で起きた高速鉄道の脱線事故で、車体を埋めてもみ消そうとした中国の対応をあげ、「そのころからあまり変わっていない印象。まずいことが起こったらトップの顔色をうかがってもみ消してしまう。それがまだまだ中国政府の中で続いている。2003年にSARSが流行した時、感染が大きく広がったのは春節が終わってから5月くらいまでの間だった。今回もまだまだ続く。5月、下手をしたらその先まで続くこともありえる」と述べた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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