大逆転勝利を掴み取ったその目は、キラキラと輝いていた。大和証券Mリーグ2019・2月7日の第1試合で、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)が南3局で6000点持ちラス目からの大逆転勝利、今期4勝目を獲得した。
この試合の対局者は、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、岡田の並びでスタート。
岡田は東場からアガリを重ねるも、南3局に親の滝沢へ1万2000点を放銃しラス目へ転落。さらに1本場も同じく滝沢へ7700点(+300点)を放銃し、ここまで5試合連続で逆連対中のチームの状態を表すかのような、わずか6000点持ちという苦境を迎える。
しかしここから岡田の粘り、そして猛攻が始まる。南3局2本場、まずヤミテンで5200点をアガって反撃の狼煙。今期ここまでサクラナイツが得意としている南場の親番を迎えると、南1局にリーチ・赤・ドラ4の1万8000点を萩原からロン。これでトップ争いの戦線復帰を果たす。
1本場は仕掛けて5800点(300点)のアガリ。3本場そして4本場にはそれぞれリーチも仕掛けも成功し満貫連発。圧巻の連荘を見せて、特大トップを獲得した。チームメイト沢崎誠(連盟)の持つシーズン最高得点(9万2100点)まで狙いたくなるほどの大逆転勝利だった。
リーグ順位の上から引いていく試合前の抽選で、岡田は自力でラス親を引き当てた。これが奏功し、ラス目から粘った末の大きなトップ。インタビューでは「気持ちよかった!10万点越えてやろうと思ってました」と明るく笑顔を見せ、その後は自らの放銃のシーンについての反省も忘れずコメント。最後は「これをきっかけに浮上して、首位を狙っていきたいと思います」とファンへ逆転優勝にかけての意気込みを語っていた。
今期、何度も沢崎そして内川幸太郎(連盟)が見せている、サクラナイツのラス親の強さ。ピンクのユニフォームを着るとラス親で見えない力が働くのか、この日は岡田からも怒涛の攻めが繰り出された。
岡田の隠れた強みはラス回避率の高さ。この日を含めて17戦、ラスはわずかに3回(17%)と、苦境でもこらえ3着に留まるしぶとさが光る。沢崎一人のポイントが目立つが、チーム戦である以上こうした選手の存在も実は大きいもの。
最年少リーガーが経験を積み、さらにポイントを稼ぐことになれば、優勝も現実味を帯びてくる。
【1回戦結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)5万5000点/+75.0
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)3万1100点/+11.1
3着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)3万400点/▲9.6
4着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)▲1万6500点/▲76.5
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)