どこまでも冷静に、かつ貪欲に高打点を狙い、そして手中に収めた。大和証券Mリーグ2019・2月13日の第2試合で、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)がリーグ女性プロ最多となる今期8勝目を獲得した。
この試合の対局者は、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、黒沢、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)の並びでスタート。
黒沢は東1局、東を仕掛けて先制に成功すると、東3局には“セレブ”らしい打ち筋でファンを沸かせた。いったんソウズのメンホン七対子をテンパイするも、5枚持ちの6・9索の筋である9索を押すことは自重し、かつアガリやすさを狙うため、2枚切れの發を切って迂回ルートへ。
“セレブ”へすり寄るように、すぐに赤5索が訪れて再度テンパイを果たすと、これをダマテンに構え、すぐに中を引いてツモアガリ。これがツモ・中・ホンイツ・赤の1万8000点となり大量リードを築いた。
その後、朝倉の猛攻があり南3局の親番を迎える頃には8200点差まで詰め寄られ、さらに内川には跳満を引かれて親被り。これでオーラスは三つ巴の展開となったが、最後はダマテンの平和・赤・ドラの3900点をしっかりアガリ切って終局。リーグ女性最多となる8勝目を獲得した。
インタビューでは、「1回戦の瀬戸熊さんはすごくいい内容だったのですが、悔しい結果(4着)となってしまっていて、絶対にトップ取りたいと思っていました。そこに監督から『大きいトップ取ってこい!』と指令が初めて出たんですよ、プレッシャーでした」と笑顔で振り返り、試合前の内情を明かした。
1回戦で4着に沈んだチームを再浮上させるため、大事な2試合目。黒沢は「トップを取れ」と指令を受け、それに応えてみせた。これには解説の勝又健志(連盟)も、「見事ですよね。言われて取れるなら毎回(取ってこいと監督も)言いますからね」と脱帽していた。
先週、7勝目のインタビューの際には妊娠を自ら発表。ファンからすれば体調面での心配もあるが、この日も黒沢はいつもと変わらず堂々と、強気な門前麻雀を貫き、チームに勝利をもたらした。新しい命の誕生は春以降。今年の黒沢には、リーグファイナルまでの戦い、そして母になるため、楽しみな時間が待ち受けている。
【2回戦結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)4万500点/+60.5
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)2万6500点/+6.5
3着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)2万5400点/▲14.6
4着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)7600点/▲52.4
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【2月13日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +413.3(74/90)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +106.7(76/90)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +45.4(74/90)
4位 渋谷ABEMAS +20.2(76/90)
5位 TEAM雷電 +16.1(76/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲38.1(76/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲244.1(74/90)
8位 EX風林火山 ▲339.5(74/90)
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)







