Mリーグの解説で、抜群の指示を受けるのはこの男だ。大和証券Mリーグ2019・2月13日、番組内で解説を務めていたEX風林火山・勝又健志(連盟)が、熱血実況の日吉辰哉を抑えるほどの熱量とキレのある解説で、ファンを楽しませた。
リーグも佳境に近づいているこの時期、選手それぞれの思考や思惑もシーズン開幕から中盤戦までよりもさらに複雑に、かつ色濃く試合に表れる。死に物狂いでトップを目指すチームがいる反面、ここは2着でも良いと考え安全策を取るチームもあり、押し引きや戦術面で違いが出てくるのは当然で、そのため選手の打牌選択の思考も、解説者がどれくらい拾えるかが重要となる。
日吉はいつものように熱く試合を盛り上げていたが、この日はそれを上回る情報量で、勝又の解説がファンを魅了。放送序盤から「日吉勝又は解説のテンポいいな」「止まらない解説」とファンからも好印象のコメントが並んだ。
1回戦の東1局、リーチに危険牌を切り飛ばし、七万をポンして攻め返したKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)について「この七万ポンは、他家からすればとっても怖いですよ。テンパイしていなかったのに、いくつも危険牌を切っている。イーシャンテンの段階から価値の高い手ということは、ドラが固まっているなということが(他家から)想像できますよね」と説明した。
この時、内川はドラ2枚、赤牌2枚という勝負手だったが、それを受けて他家がどのように考え、どう立ち回るかも事細かく説明した勝又に対し、視聴者も「かっちゃん相変わらずすげえw」「勝又の解説わかりやすすぎwww」と心服していた。
また、東2局2本場、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)がドラの2索を2軒リーチに叩き切り、3軒リーチへ発展させた勝負の際には「2人が三万を持ってなさそうと判断したんでしょう」と淀みなく解説。実際、この三万は4枚すべて山に残っており、小林の判断の的確さに加えて、勝又の思考の速さも同時に視聴者へアピールする場面となった。
そして2回戦オーラス。3900点までは放銃しても2着を維持できるU-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)が、トップ目のTEAM雷電・黒沢咲(連盟)のダマテンへ放銃したシーンが秀逸だった。朝倉は八万を仕掛けるが、終盤にテンパイ打牌となり、かつカン材でもある手牌の八万は黒沢への当たり牌。これを朝倉はカンせず河に置き、放銃となった。
勝又はすぐさま「(カンしない理由は)2着キープですよ。カンしたらチャンカンがついて3着ですから」と朝倉の好判断を説明した。コメント欄には「なんでカンしないんだ」とその直前に投稿されており、誰もが疑問に思う点をすぐさま解説した勝又の思考の速さはまさに“麻雀IQ220”そのものだった。
この日、随所に“軍師”勝又の思考は語られ、「興奮するところでも冷静かつ情報量多いね」「勝又の解説に隙がなくて日吉が活きないw」と、その頭脳を称賛するコメントが続いていた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






