新型コロナウイルスで国内初の死者…東京オリンピックを控えた日本、流行終息の見通しは?
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 新型コロナウイルスによる“委縮ムード”が世界で広がっている。上海では4月に予定されていたF1グランプリが開催延期され、スペインでは毎年10万人以上が訪れる世界最大の携帯電話見本市MWCが中止に追い込まれた。

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 一方、中国専門家チームのトップ・鍾南山氏は「新型コロナウイルスの流行は今月ピークを迎え、4月頃に終息する可能性がある」「国内一部地域ではすでに状況が改善して新たな感染件数が減少している」との見方を示している。ただ、SARSや新型インフルエンザなどのケースを考えると、事態の沈静化はそれほど簡単ではないとの意見もある。

 上海東和クリニックの藤田康介医師は「現地でも非常に大きく報道されていて、我々も注目している。実際、武漢以外に関しては落ち着きつつある感じもある。ただ、悲観的な方は“もう少し先までいくのではないか”と見ているし、鍾氏の意見だけが全てではない。来週の20日前後には地方から上海などに戻ってきた人たちがちょうど2週間を迎えるので、まずは今月下旬から3月上旬にかけて事態がどう変わるのか、気を抜かず見ていく必要がある。これが中国においては重要なポイントだ」と話す。

 「今は上海の博物館、美術館、観光地類はすべて閉まっていて、日常生活に娯楽がない状態になっている。F1グランプリがいつ開催されるかということ、終息に向けた一つの目安にはなると思う」。

 そこで気になるのが、開催が迫る東京オリンピックだ。東京五輪組織委員会の森喜朗会長は13日「無責任なデマも流されたが、東京大会の中止や延期は検討されていないことを改めてはっきり申し上げたいと思う」と断言しているが、この日、神奈川県では肺炎で亡くなった80代の女性が新型コロナウイルスに感染していたことが判明。また、東京都では70代のタクシー運転手の男性の感染も確認されている。

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 感染症に詳しいナビタスクリニック理事長の久住英二医師は「今までやってきたことを大いに反省し、すでに国内に蔓延している考え、水際対策ではないところに軸足を移さなければ、今後こういったケースは続発してしまうと思う。感染の原因があたかも中国人であるかのような、思考停止して中国人に紐づけして何となく海外から持ち込まれたものとしてしまいがちだが、そういう段階ではない。地域の保健所が“外国の方と接触歴がないから検査ができない”といったことを言っていてはダメだ。検査の“武漢縛り”や“湖北省縛り”が緩和されて検査できる方が増えてくると、こういったケースがもっと表に出てくると思う。原因がよく分からない肺炎で治療されている方は、直ちに検査を受けることを考えた方がいいと思う。その意味では、クルーズ船にいる80歳以上の無症状の方を下船させることも重要だが、診断が付いていない肺炎の方の検査が優先されるべきだと思う」と指摘する。

 その上で久住医師は「中国で出ている論文のデータを見ると、発病するのは年齢でいうと40歳以上の方、性別でいうと7対3くらいで男性ということが分かっている。つまり、若い女性の方は発病するリスクは低いので、安心して過ごしていただきたい。また、タクシーの運転手さんが発症したということで不安に思う人もいるかもしれないが、1か0でではない。飛沫が付いているところを触った手で目や鼻を触らなければ、感染者の隣に座ったからといって感染するわけではないので、運転手さんや具合の悪い方や咳が出る人はちゃんとマスクを装着する、あるいは仕事を休むと、手洗いをしっかりするといった対策を取る以上に方法はない」と話した。

 また、日本での流行について久住氏は「希望的観測としては、暖かくなってきて流行期が終わると、このウイルスも大人しくなってくれるということ。そうなれば、ゴールデンウィーク頃には落ち着くのかもしれない。一方で、1人に対して2.2人くらいにうつるということなので、ワクチンができない限り、感染はずっと続いていってしまうので、ほとんどの人にかかり終わるまで続く可能性もあると見ている。オリンピックについても、終息していれば問題なく開催できると思うが、2016年のリオオリンピックではジカ熱を恐れた選手たちが参加を辞退したこともあった。今回もそういったことが起きてしまう可能性もある」との見方を示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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無症状の人からも拡がるリスク
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