鈴木みのるとジョン・モクスリーの2人が、パックリ2つに割れたテーブルの破片で、互いに己の頭を何発も叩き奇声をあげ鼓舞する。
 ベルト乱立の批判のなか誕生した新日本プロレスのIWGP USヘビー級選手権が、ここへ来て多様性のあるプロレスの表現の場として、そのアイデンティティを確立しつつある。荒々しく激しいベルトのキャラクター性を高めているキーとなるのが、外からやってきた現王者・ジョン・モクスリーと、鈴木みのる率いる鈴木軍の抗争。新日スタイルでも無い、エクストリームな海外プロレスでも無い、表現者同士のせめぎ合いが織りなす物語だ。