大和証券Mリーグ2019・2月25日の2回戦でTEAM雷電・黒沢咲(連盟)が、Mリーグ女性選手初となる役満・四暗刻(単騎)をオーラスでアガリ。大逆転トップで個人9勝目、チーム21勝目を挙げた。
対局者は、起家から黒沢、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、EX風林火山・勝又健志(連盟)。
「神回とはまさにこのこと」「もう一度みたい半荘」「面白すぎるぞ雷電の麻雀」と日本中の麻雀ファンを沸かせたのは、メンゼン高打点を武器に戦う“セレブ”こと黒沢だった。
黒沢は東1局の親番で1万2000点をアガったが、その後は大物手が飛び交う乱打戦となり、オーラスを迎えた時点では、1万4700点持ちの3着目に後退していた。
南4局2本場、3筒暗刻、4筒と8筒がトイツの配牌をもらった黒沢は、2巡目に四万をトイツに、3巡目に8筒を暗刻にした。10巡目には4筒を暗刻にして三暗刻が確定したカン4索待ちのテンパイを入れた。
そして11巡目、親番・勝又からリーチ宣言を受けた同巡に四万をツモってきたことで役満・四暗刻をテンパイ。勝又に無スジの5索を切って3索単騎待ちに構えた。
次巡に河に1枚切れだった西をツモってきたところで唇を噛み締めて腹をくくると、勝又に通っていない3索を切って西単騎に待ち変えした。さらに次巡、8筒を持ってきて暗カン、王牌(ワンパイ)からツモってきた無スジの八万をビシッと切り、西単騎待ちを続行。最後のツモ番に西はいなかったが、テンパイ流局を目指した内川から西が打たれ、役満・四暗刻を出アガリ。3万2000点(+600点、供託1000点)を加点し、大逆転トップをもぎ取った。
この日の1戦目では、チームメイトの瀬戸熊直樹(連盟)が善戦するもラスとなっていたため、3着目のまま終わればセミファイナル進出に向けたボーダー付近の混戦に巻き込まれる恐れもあった。
しかし近い将来母になる黒沢は「私より、もしかしたら(お腹の赤ちゃんが)ドキドキしていたかもしれないですね」と緊張で手が震えてもおかしくないオーラス役満テンパイ時でさえ、微笑みをたたえながら対局していた。
まさにセレブ打法の究極進化形と言えるメークミラクルには、数多くのスポーツ名場面を見てきたMリーグ最高顧問・川淵三郎氏も「オーラス! 四暗刻!! 逆転トップ!! 黒沢さん、それでも表情変えず。まるでドラマを見る様な凄すぎる大逆転」とTwitter上で賞賛した。
赤坂ドリブンズを2着にしたまま、3着キープで試合を終わらせることも選択肢としてはあったが「そういう細かいことは、私はあまり向かないのかなって改めて思いました」とセレブは自分の麻雀を貫き、Mリーグ史上語り継がれるであろう名局を刻んだ。【福山純生(雀聖アワー)】
【2回戦結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)4万8300点/+68.3
2着 EX風林火山・勝又健志(連盟)4万3500点/+23.5
3着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)4万700点/+0.7
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)-3万2500点/▲92.5
【2月25日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +422.4(82/90)
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +152.2(82/90)
3位 TEAM雷電 +59.0(84/90)
4位 渋谷ABEMAS +42.7(82/90)
5位 KADOKAWAサクラナイツ +6.6(84/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲78.0(82/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲149.6(84/90)
8位 EX風林火山 ▲475.3(84/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)