ライバルとのデッドヒートは、見る者を魅了した。大和証券Mリーグ2019・2月28日の第2試合で、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)が赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)とのし烈なトップ争いを制し、今期8勝目を獲得した。
この試合の対局者は、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、村上、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、内川の並びでスタート。内川は前回の大敗を引きずるそぶりなど微塵もなく、東2局から東4局2本場まで5連続アガリを決めた。セミファイナルへ向けて後がなく、必勝を期す村上に猛追されるも、オーラスはその村上から直取りのリーチ・赤・裏ドラの7700点をアガって勝負あり。
1本場はさらに素点を稼ぎに内川は仕掛けたが、箱を割っていた佐々木のリーチに対し、最後は手を崩して流局、8勝目を挙げた。内川の最後の仕掛けは役牌の南を暗刻にしたトイトイ。待ちは前回の試合で四暗刻への放銃となった西単騎だった。
試合後に「西で放銃したので、やり返したくて」と冗談めかして語っていたが、生牌の白と1枚切れの西との比較で、アガリ易さや変則手の村上が白をトイツにしているかもしれないという読みの元、これは自然な待ち取りだった。
まさかの四暗刻単騎への放銃から日は経ち、1戦目は出場を志願。個人成績1位がかかる沢崎誠(連盟)へその役目は譲ったが、この2戦目の出場に内川は燃えていた。
そして与えられた出番でしっかりトップを獲り、最後には冗談めかしたコメントを口にする余裕すら見せた。内川へは「凄いなプロって」「これからも内川応援するわ」といったエールに加えて「ひと回り大きくなった」という、その実力を称えるコメントが相次いだ。
「天王山と思っていた」と自ら語ったこの試合、大トップを決めたことでチームにとってもセミファイナルに向けて大きな1勝となった。役満放銃をいっきに取り返し、チームに自信を与えるような価値ある勝利だ。今後の内川はこれをきっかけに、さらにスケールアップするかもしれない、見る者にそんな予感すら覚えさせる快勝劇だった。
【2回戦結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)5万1500点/+71.5
2着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)3万9600点/+19.6
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)8600点/▲31.4
4着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)300点/▲59.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【2月28日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +482.7(84/90)
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +134.3(86/90)
3位 KADOKAWAサクラナイツ +89.1(86/90)
4位 TEAM雷電 +59.0(84/90)
5位 渋谷ABEMAS +46.8(84/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲171.7(86/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲184.9(86/90)
8位 EX風林火山 ▲475.3(84/90)
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)







