インターネットテレビ局のAbemaTVは、同社の「将棋チャンネル」において、オリジナル対局企画「AbemaTVトーナメント」の第3回大会を開催すると3月3日、発表した。持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算という超早指し戦として注目を浴びたが、今回はなんと団体戦で実施。トップ棋士が、自ら「ドラフト会議」でともに戦う棋士を選ぶという、前代未聞の一大企画となった。
「AbemaTVトーナメント」は、羽生善治九段(49)の着想をもとにして作られた超早指し棋戦で、第1回・第2回大会と、藤井聡太七段(17)が連覇。トップ棋士でも思わず慌てる究極の戦いの中でも、無類の強さを見せた。将棋界においても珍しい企画として認知されてきたが、今回はさらにプロ将棋界ではなかった団体戦、さらにはドラフト会議、優勝賞金も1000万円と、注目ポイントがずらりと並ぶこととなった。
ドラフト会議に参加するのは、チームリーダーを務める豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段 三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段の計11人。さらに、ここにAbemaTVドリームチームとしてAbemaTV・藤田晋社長の、計12人で行われる。なおAbemaドリームチームのリーダーは羽生九段が務める。各リーダーが2人ずつ指名し、3人1組のチームを結成。指名が重複した場合は、くじ引きとなる。
団体戦は、12チームが3チームずつ、4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。3対3(勝ち抜きなし)で、それぞれ三番勝負を行い、1対局につき1勝すれば1ポイント、1敗すれば-1ポイント。2連勝なら+2ポイント、2勝1敗なら+1ポイントという計算だ。リーグ戦を終えた時点でポイントが並んだ場合には、リーダー同士による対局(1局のみ)で決着をつける。トータルのポイントで各リーグの上位2チーム、計8チーム本戦トーナメントに進出するという仕組みだ。
装いも新たにしたAbemaTVトーナメント。第1、2回の覇者・藤井七段は「今回はチーム戦という事を聞いて驚きましたが、チームのメンバーをドラフト会議で決定するという試みにはさらに驚かされました。どんなチームができて、どんな戦いが繰り広げられるのか、いまから楽しみにしています」と意気込みのコメントを発表した。
将棋ファン大注目のドラフト会議は、4月4日の午後7時から放送予定。孤高の戦士だった棋士たちが、肩を組んで戦うという、将棋史に残る新たな試みに挑む。