大和証券Mリーグ2019・3月3日の2回戦でセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)が役満・四暗刻を決め、個人10勝目、チーム24勝目を挙げた。役満はMリーグ史上通算10度目、1シーズンで2度役満をアガったのは魚谷が初となった。
対局者は起家からU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、魚谷。この日の1回戦では3着に終わり、連続試合連対記録が10で止まっていた魚谷は、チームを率いる高畑大輔監督から背中を押され、個人スコア首位を目指すべく2戦目も連続出場していた。
2月27日の第1試合で決めた役満・国士無双に続く2度目の役満・四暗刻をアガったのは南3局1本場だった。
トイツが4組の配牌をもらった魚谷は、4巡目に5索を重ねて5トイツとなった次巡、發を暗刻にした。10巡目に一万を暗刻にし、四暗刻のイーシャンテンになった時点で、河に1枚も切られていなかった中を切るかどうか少考した。東と北を仕掛けていた園田に、中が当たる危険性もあったからだ。だが魚谷は意を決して中を打牌。すると次巡に園田も欲しかった2筒を引き入れ、5索と南のシャンポン待ちでツモれば四暗刻、出アガリでも5索なら跳満、南でアガれば發・ダブ南・トイトイ・三暗刻・赤で倍満となるテンパイを入れた。
解説初登場の河野直也(最高位戦)も「今シーズン役満を2回決めた選手はいないですね」と興奮する中、魚谷はいつもと変わらないリズムで打ち進め、自身最後のツモ番で5索をツモって四暗刻、3万2000点(+300点)を決めた。「8000・1万6000は、8100・1万6100」とよどみなく発声すると、ファンも「えっこれ録画じゃないよね?」「なんでこんなにMリーグおもしろいの」「2週連続役満」と沸き上がった。このツモでラス目から一気にトップ目に浮上。南4局では小林がアガったことで、魚谷のトップが確定した。
勝利者インタビューでは「信じて2回目も打たせてくれた」と連戦を託してくれたチームメイトと監督に感謝した。東3局で小林への跳満放銃というビハインドスタートだったにも関わらず「絶対に最後まであきらめない」と信条を貫いての逆転トップ。それだけに、四暗刻をツモった瞬間は「ウルッと来てたんですけど…」と相好を崩した。
開幕前のインタビューでも「麻雀に男女の差がなく、個人の差であることを証明したい」と言っていた通り、男性とも対等に戦えることをみごとに実証する好成績で牽引し、チームは首位。個人賞もセガサミーフェニックスで総ナメ状態。セミファイナルからファイナルに向け、自身もチームもさらに加速していく。【福山純生(雀聖アワー)】
【2回戦結果】
1着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)5万3700点/+73.7
2着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万4300点/+4.3
3着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)1万2300点/▲27.7
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)9700点/▲50.3
【3月3日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +486.3(88/90)
2位 渋谷ABEMAS +193.3(88/90)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +134.3(86/90)
4位 KADOKAWAサクラナイツ +89.1(86/90)
5位 TEAM雷電 +61.4(86/90)
6位 赤坂ドリブンズ ▲215.2(88/90)
7位 U-NEXT Pirates ▲235.7(88/90)
8位 EX風林火山 ▲533.5(86/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)