レギュラーシーズン最終戦となった大和証券Mリーグ2019・3月9日の2回戦で、昨シーズン覇者・赤坂ドリブンズと昨シーズン準優勝のEX風林火山が敗退した。
全8チーム中6チームが進出できるセミファイナルへ望みをつなぐ試合を託されたのは、赤坂ドリブンズは村上淳(最高位戦)、EX風林火山は勝又健志(連盟)だった。7位・赤坂ドリブンズと6位・U-NEXT Piratesとは12.3ポイント差。赤坂ドリブンズは1回でもトップを取れば、素点次第でラスを取っても逆転可能で、プラスの2着が2回でもクリアできる差につけていた。8位・EX風林火山は、U-NEXT Piratesとの280.6ポイント差をまくるためには、単なる連勝ではなく、1回あたり最低でも+140という記録的な2トップが必要だった。
1回戦では村上は3着、勝又は役満・国士無双に向かった場面もあったが、イーシャンテン止まりに終わり2着フィニッシュ。2回戦では、村上がオーラスにトップ条件を作ってリーチを放ったがアガれず、ともに善戦したが思いは実らなかった。
赤坂ドリブンズの今シーズンは開幕戦2ラスから始まった。昨年10月4日、村上がチームに今期初勝利をもたらしたが、鈴木の初トップは10月21日、園田のトップは10月26日となかなか調子が上がって来なかった。
そんな中「育成」をテーマにドラフト指名されたプロ入り2年目の丸山奏子(最高位戦)が10月29日のデビュー戦で魅せた。オーラス、ラス目だったところからアガリ牌をあえて見逃し、終盤に会心の倍満をツモアガる劇的なデビュー戦勝利を成し遂げた。しかしその後も波に乗れない試合が続き、園田も体調を崩すほど精神的にも追い込まれ、1月23日終了時点では▲537.5の最下位にまで落ち込んだ。
だが1月24日と27日の2日間で4連勝し、一気に234.7ポイントを挽回。さらに村上は1月24日から8試合連続連対を決め、2月18日には個人スコアを+414.3とし、個人首位に立った。まるで昨期レギュラーシーズン、土壇場でファイナルに進出した後、圧倒的な勝ちっぷりで優勝を決めた時を彷彿とさせたが、あと一歩及ばなかった。
一方のEX風林火山は、昨期ファイナルシーズンで赤坂ドリブンズに辛酸を舐めさせられた経験から「安定感よりもトップを取り切ること」を重視し、踏み込むスタイルにチェンジして今シーズンに臨んでいた。
チームの節目と位置付けていた11月15日は、二階堂亜樹(連盟)が誕生日を自ら祝うトップを獲得。12月6日は勝又が、チームメイトの滝沢和典(連盟)の誕生日を祝う勝利を挙げ、+200ポイント台の首位に立っていたが、その後は徐々にポイントを減らし、年が明けた2月4日にチームは最下位に後退すると、そこから立て直すことが出来ないまま、レギュラーシーズンを終えた。
開幕から絶不調で最終日まで可能性を残しつつも敗退した赤坂ドリブンズ。序盤こそ安定感抜群だったが、終盤にかけて一気に落ち込み、そこから浮上出来なかったEX風林火山。
最後まで諦めなかった両チームには、ファンから「村上で負けたら仕方がない」「条件を作ったのすごい」「勝又、普通に打つという強メンタル」「風林火山のファンでよかった」と、ねぎらいの言葉が贈られていた。
解説の土田浩翔(最高位戦)は、昨期レギュラーシーズンで敗退したセガサミーフェニックスとU-NEXT Piratesが勝ち上がったことを受け「麻雀は負けてこそ。勝ってなんぼの世界じゃなくて、負けてこそ得るものが多い」と勝敗だけにこだわるのがプロの世界ではないとし「負けることが、どんなに素晴らしいことか。それをMリーグは見せ続ける」と赤坂ドリブンズとEX風林火山の健闘を称えた。【福山純生(雀聖アワー)】
【レギュラーシーズン終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +495.5(90/90)
2位 渋谷ABEMAS +273.9(90/90)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +195.0(90/90)
4位 KADOKAWAサクラナイツ +48.4(90/90)
5位 TEAM雷電 ▲80.1(90/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲202.3(90/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲276.3(90/90)
8位 EX風林火山 ▲474.1(90/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)







