「無観客試合」での開催を目指して1週間、日本高等学校野球連盟は「第92回選抜高校野球大会」の中止を11日に発表した。この“春のセンバツ”は太平洋戦争の影響で中断したことはあるが、予定されていた大会の中止は初めてとなる。
毎日新聞社の丸山昌宏大会会長は「甲子園出場の夢をつかんだ選手の皆さんの心情を考えると、中止の決定はまさに断腸の思い」、高野連の八田英二会長は「出場選手の健康への影響、これが最大の理由。それに対する不安がまだ払拭しきれなかった」と悔しさを滲ませた。中止決定には、選手たちが宿舎として利用する兵庫県と大阪府で、無観客試合を発表した4日からの感染者数が兵庫は3人→37人、大阪は17人→80人と急増していることも要因にあった。