ついに“パンデミック”状態に…オリンピック開催、やはり現時点では不透明?
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 欧州での感染が急速に拡大している新型コロナウイルスについて、WHOのテドロス事務局長は11日、「パンデミックにあたる」との見解を示した。

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 12日のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した厚生労働省で医療政策に携わった経験もある坂元晴香・東京大学大学院特任研究員は「WHOは以前から医療体制の弱い国への拡大を懸念していたが、ここ数日、そういった国々での感染が少しずつ見られ始めたということが、この発言の一つのきっかけになったと思う」と話す。

 「もちろん、WHOの宣言は目安の一つにはなると思うが、それで何かが劇的に変わるというものではない。特に先進国と呼ばれるG7の国などは自ら公衆衛生的な対策をし、患者に医療を提供することができる。日本の場合も大きな変化はなく、基本的には専門家会議等から出たものをたどることになる。ただ、日常的にWHOから技術支援などを受けている国においては、これによって国際的な資金を集めやすくなったり、WHOからの支援がより受けやすくなったりすることが考えられる」。

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 元国立感染症研究所感染症疫学センター長で、新型インフルエンザのガイドライン改定に関わる政府会議で委員を務めた経験がある大石和徳・富山県衛生研究所所長は「1人目の感染者から次の感染者に感染が起こる世代間隔が非常に短いし、症状がない人から感染が起こる可能性もかなりあるという状況を見ると、パンデミックに至っても仕方がない状況だったと思う。ただ、世界の現状を見ると、宣言するのは1、2週間くらい早くても良かったのかもしれない」との見方を示した。

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 一方、日本国内では東京オリンピック・パラリンピックの開催や、多方面での“自粛”に伴う経済への影響が懸念されている。

 坂元氏は「感染対策と経済、社会の維持のバランスがある中で、イベントなどをどこまで止めるかというのは非常に難しく、正解はないと思う。現時点では緊急事態宣言をした北海道のデータがある程度出そろって、一つの目途が立ちそうなのが19日頃と言われている。一旦はそこを待って次の対策を考えるということが一番妥当な流れかなとは思う。オリンピック・パラリンピックについては、現時点ではどちらとも言えないというところが率直なところだ。仮に無観客で実施するとしても、当然ながら世界各国からかなりの人数が来るわけで、その国の流行の状況によっては来てもらうことが難しくなることもあるだろう。やはり日本国内だけの流行状況で決められる話ではないし、7月下旬に状況が落ち着いているのかどうかも推測の域を出ない」とコメント。

 大石氏は「日本国民にとって、こういった“社会的介入”は初めての経験だ。しかし、たとえばSARS対策をした中国がそうだったように、海外では対価を払って感染症対策をやってきた経験がある。今、日本もまさにそういう対策をとらなければならない状況にある。今後3カ月くらいである程度の状況が見えてくるのではないかと思うし、世界の状況にも大きく影響されると思うので、オリンピック・パラリンピックについては5月、6月の頃の世界的な状況ということが最終的な判断に関わってくると思う」との見解を示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:坂元氏・大石氏による解説

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