高齢者医療の医師、“数に終始する”コロナ報道に警鐘「人間は情報のシャワーを浴びると、思考が傾いていく」
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「バランス感覚をもう少し戻してもいい」

 一連の新型コロナウイルスに関連して過熱する報道に対して、高齢者医療にも携わる医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏が警鐘を鳴らした。

【映像】“数に終始する”コロナ報道に警鐘

 森田氏は「今回の新型コロナウイルスは高齢者が中心になっている。ただ、高齢者医療をやっていると、高齢者が肺炎で亡くなるのは本当に日常的なことなんです。新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなることはもちろん悲しいことだが、きっかけはインフルエンザかもしれないし、新型コロナウイルスかもしれないし、誤嚥性肺炎かもしれない。つまり、色々なことをきっかけとして肺炎は起こる。実は、最後のダメ押しが何かということよりも、前の段階にある基礎的な体力や免疫力の低下など一次的なことの方が大事。新型コロナウイルスは二次的な問題だと率直に思っている」と医療現場の実態を踏まえて話した。

 さらに森田氏は新型コロナウイルスを巡る報道の頻度にも言及すると「人間は情報のシャワーを浴びると、そちらに思考が傾いていく。軽症で済むとか、無症状の人も多いとか、頭では何となく聞いたことはあっても、毎日感染者が何人出た、今日は死者が何人出たといったニュースがその10倍くると、どうしてもそっちの方に思考が傾いて行ってしまう。報道の頻度は社会情勢に影響を与えている」と持論を展開した。

 またPCR検査については「意外と感度が低い。陽性が出たときはだいたい陽性だが、陰性が出たときの信頼が低い。「偽陰性」といって、例えば10人陽性がいたら、そのうち3人か4人は陰性で出てしまう。医学の検査では信頼性が高いものはそうは多くなく、インフルエンザの検査だって100%などはあり得ない」とも話し、陰性から陽性に傾くケースが多くなっている背景を説明した。(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』)

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新型コロナ、数に終始する報道に警鐘 | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
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