香川県“ゲーム規制条例” パブコメ公表も反対意見の比重大 「“やってる感”を出すためかと思ってしまう」
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 18歳未満の子どものゲーム利用時間を平日1日60分/休日1日90分までとする、香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」。香川県は「県民の多様な意見を聴取する機会の確保」などを目的にパブリックコメントを募集。県内に住所のある2615人と、ゲーム開発などを手掛ける全国の71事業者から意見が集まった。

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 その結果だけが先に12日に公表されていたが、内訳は「賛成」が2269、「反対」が401、「その他」が16。県民の意見では84%が「賛成」で、事業者側の意見は94%が「反対」となった。香川県はこのパブリックコメントについて「多数決や賛否を問うものではない」としているが、ネット上ではすでに「言っていることとやっていることが完全にかい離」「パブコメ公表されて見ているけど、これで県民納得したの?」などと物議を醸している。

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 また、条例検討委員会の一部のメンバーが16日、「条例の制定過程には透明性が求められる」などとして、パブリックコメントの詳細を公開するよう求める申し入れを行った。その理由としてあげられたのが、開示された意見のバランス。寄せられた意見は賛成が圧倒的に多いのにも関わらず、資料は紙1枚。一方の反対意見は、約80ページにわたってまとめられていた。検討委員会で示された資料は17日朝に一般公開されたものと同様、大半が反対意見を示したもので、最終案をまとめる議論は約20分で終了したということだ。

 こうした意見の偏りについて、BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「賛成意見は1枚で反対意見はかなりの分量。また反対意見の方には県議会側の否定コメントが逐一つけられており、結論ありきではないかと感じる。反対意見を手厚く紹介すること自体はいいことだが、だとすればもっと早めに公開した方がよかった。検討委員にも当日いきなり配るのではなく、事前に配布したうえで真摯に丁寧に話し合うべき。そうでないと、パブリックコメントが『反対意見もちゃんと聞いた』『ちゃんと載せた』というアリバイづくり、もっと言えば“ガス抜き”“やっている感”を出すために使われたのかと思ってしまう」と指摘する。

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 また、神庭氏はゲーム規制を「そもそも家庭の中でルールとして決めるもの」だとし、「子どもがゲームをやり過ぎている、依存症にならないかと心配なのであれば、親が注意すればいい。それを『他の子も横並びでやっていると注意しづらい』『県で決めてくれたら楽』と考えていたとしたらよくない。最近、“迷惑110番”といって『家の中にゴキブリがいる』『子どもが言うことを聞かないから代わりに叱って』といったことで警察に電話をかけるような人がいるが、同じ風潮を感じる。気軽に『お上』に頼るようなことを続けていると、公権力が膨張して、介入すべきでないところまで干渉されてしまう。他県への影響も心配だ」と懸念を示した。

 なお、条例案は18日の県議会で採決され、可決されれば4月1日に施行される。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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