新型コロナは「ブーマーリムーバー」? 若者が高齢者を揶揄 ポストコロナは“移動”の価値観に変化も
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 新型コロナウイルスの感染拡大で、世界的に高齢者を中心に多くの犠牲者が出ている中、海外のネット上では「Boomer Remover(ブーマーリムーバー)」という言葉がトレンド入りした。「ブーマー」とは、1940年代に生まれたベビーブーム世代など高齢者を指す言葉だ。

 「『ブーマー』は地球環境をダメにしている。で、地球がブーマーを殺すウイルスを作り出した。だからコロナは『ブーマーリムーバー』って命名すべき」

 つまり、“新型コロナウイルスは高齢者を除去する装置である”ということを意味している。日本でも迷惑をかける高齢者を「老害」と呼ぶ風潮があるが、ブーマーもこれと同じように使われている。

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 世代間格差に直面する若者が高齢者を揶揄するこの言葉に対して、「いつかあなたも高齢者になるんだよ?自分の親や祖父母を考えてみなよ。自分の命をくれた人たちの死を望むってどんなメンタルなの?」「お願いだから他社の死を望まないで。高齢者が死んでその先に何があるかもわからないのに。こんな馬鹿げたことしていたらコロナには勝てない」と冷静な反論も相次いでいる。

 一方で、このウイルスによって“救われた命がある”という研究結果も発表された。米スタンフォード大のマーシャル・バーク准教授によると、中国では工場停止などによって大気汚染が改善し、5万~7万5000人の命が救われた可能性があるという。バーク准教授は「パンデミックのない中で隠されていた健康面の代償が、パンデミックのせいで目に見えるようになった」と指摘している。

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 こうした“ポストコロナ”の世界について、『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏は「イタリアでは外出禁止になって、運河の水がものすごくきれいになっている。観光客が来なかったり移動が極端に制限されることで地球の環境、CO2排出の面で変化が起きていて、僕らが忘れていた“本来の姿”が見えている皮肉な現実がある。グレタ・トゥーンベリがヨットで大西洋を横断し、“飛び恥”(飛行機を使うのは恥)というメッセージでもみんな止まらなかったのが、今コロナで飛行機を使わなくなっている」と話す。

 一方で、落ち込む経済、打撃を受けている観光業などの救済措置は考えるべきだとし、「『Zoom』でオンライン会議をするなど、移動しなくてもできる方向に社会の舵が切られている。わざわざ飛行機で世界の裏側まで行ってやることなのか、Zoomでできることじゃないのかといった“ガラガラポン”が今起きている」と指摘した。

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 『WIRED』では、現実の世界がデジタル化され情報の世界と重ね合わさっていく「ミラーワールド」がWeb、SNSに続く“第3の巨大デジタルプラットフォーム”になると提唱している。松島氏は感染拡大を防止するための動きがミラーワールドに通ずるとし、「イベントが自粛になったからオンラインでやろう、人と人とが触れ合うためにオンラインでできることはなにか、とデジタル空間とリアルをつなげるという点では、いま人々はミラーワールドに移ろうという試みをしている。もしかしたら、バーチャル上で金閣寺を世界中の人々が訪問するかもしれないし、美術品を人混みを気にせず誰もが見られるようになるかもしれない。逆に移動がなくなることで、最終的には人と会うことの貴重さ、価値が上がっていくと考えられる。空間に関する世界の感覚は変わってきている」との見方を示した。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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