将棋の藤井聡太七段(17)が3月31日、ヒューリック杯棋聖戦の決勝トーナメントで菅井竜也八段(27)を146手で下し、2019年度の最終対局を勝利で飾った。年度成績では53勝12敗、勝率.8153をマーク(未公開対局を含む)。史上初の3年連続勝率8割を維持したのに加え、目標とするタイトル初挑戦にあと2勝まで迫った。
2019年度の締めくくりは激戦、熱戦だった。先手番だった藤井七段が優勢のまま終盤に突入したが、ここから菅井八段が持ち味の早指しと粘りでプレッシャーをかけ、対局は千日手に。持ち時間は藤井七段が1時間、菅井八段が2時間29分と1時間29分差、しかも藤井七段が後手番という不利な状況からの指し直しとなった。
指し直し局は相穴熊の展開になったが、持ち時間が少ない中でも藤井七段が徐々にリード。88手目には持ち時間が10分を切り、1局目同様に時間のプレッシャーを受け続けたが、大きなミスなく指し進め、タイトル経験もある先輩棋士に勝利した。
2019年度は王位戦・王将戦での挑戦者決定リーグ入り、3年連続での勝率8割以上、さらに勝数・勝率でトップと、デビュー直後の快進撃に引けを取らない活躍ぶりを見せた。年度最終戦の勝利は、屋敷伸之九段(48)が持つ最年少タイトル挑戦記録、17歳10カ月にあと2勝と迫る大きな白星。活躍した1年については「今年度は王将リーグ、王位リーグに入ることができて、トップ棋士の方と多く対戦できたのは収穫だったと思います。対戦の中で学んだことを来年度につなげていければと思います」と振り返った。2020年度も、藤井七段の動向が将棋界全体を大きく動かす。
(AbemaTV/将棋チャンネルより)