Mリーグ2019 朝日新聞セミファイナルシリーズの最終戦となった3月31日の2回戦で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)がトップを取り、チーム連勝で締めた。
対局者は起家からセガサミーフェニックス・和久津晶(最高位戦)、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、藤崎、渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)。
1回戦でチームメイトの高宮まり(連盟)が渾身のトップをもぎ取ったが、KONAMI麻雀格闘倶楽部がファイナル進出を果たすためには、最終戦で12万700点以上のトップが必要だった。
東1局、藤崎はいきなり視聴者の度肝を抜いた。14巡目にタンヤオ・三暗刻・赤・ドラ3で2・5筒待ちのテンパイ入れてヤミテンに構えた次巡、3筒をツモって来て3筒と4索のシャンポン待ちとし、ツモれば四暗刻となるテンパイを入れた。出アガリでも倍満だったが、無念にも七対子をテンパイしていた和久津のアタリ牌をつかみ、放銃スタートとなった。
だがこの役満テンパイは序章に過ぎなかった。東1局2本場では7巡目に役無しカン八万待ちのテンパイを入れたところから手牌をじっくり育て上げ、最終的にはリーチ・一発・ツモ・タンヤオ・平和・三色同順・赤2・ドラの倍満1万6000点にまで仕上げた。さらに東2局で8000点、東3局で1万2000点、東3局1本場で7700点(+300点)、東3局2本場では1万2000点(+300点、供託1000点)と怒涛の5連続アガリラッシュ。Mリーグの歴代最高得点を更新する可能性すら感じさせる猛攻を見せ、東場を終わった時点での持ち点を8万300点とし、目標とする12万700点のトップまで、あと4万400点というところまで駆け上がった。
さらに南2局1本場では国士無双のイーシャンテンまでこぎつけたが、和久津にかわされ万事休す。南3局と南4局も内川がアガったことで、奇跡の大逆転は叶わなかったが、最後に意地を見せる勝利となった。
最終日に2連勝を決め+139.1ポイントを獲得したが、4位だったU-NEXT Piratesまでには、61.5ポイント届かなかった。インタビューでは「負けは現時点での実力ですから、そこは受け入れるしかない」と精一杯戦っただけに、晴れやかな表情を見せた。
ファンからは「あれだけ役満の可能性を見せるのはすごすぎる」「なんつう匠の技」「この忍者すげえ」「KONAMIがんばったよ」「フェニックスファンだけど泣けてきた」「藤さまかっこいい」とあふれんばかりの賞賛が送られ、解説の土田浩翔(最高位戦)も「執念を見た」とその格闘ぶりを称えた。
藤崎という新戦力が加わったKONAMI麻雀格闘倶楽部は、佐々木寿人(連盟)、高宮、前原雄大(連盟)の4人で2019シーズンを通じて超攻撃スタイルを貫き、魅力的な闘牌を見せ続けた。不可能とすら見られていた絶望的な点差をものともせず、最後までファンに夢を与えたまさに“格闘倶楽部”であった。【福山純生(雀聖アワー)】
【2回戦結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)5万9200点/+79.2
2着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)3万7400点/+17.4
3着 セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)3万1000点/▲9.0
4着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)-2万7600点/▲87.6
【セミファイナルシリーズ終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +284.7(16/16)
2位 セガサミーフェニックス +172.0(16/16)
3位 渋谷ABEMAS +64.0(16/16)
4位 U-NEXT Pirates ▲3.5(16/16)
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲65.0(16/16)
6位 TEAM雷電 ▲86.8(16/16)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)