「咲-Saki-」の世界に憧れる人気女流雀士・二階堂亜樹 学生時代に作るチャンスがあった「麻雀部」
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 もしあの頃、麻雀部を作っていれば…。プロ麻雀界で人気女流として長く活躍する二階堂亜樹(日本プロ麻雀連盟)にとって「もったいないことをしたなあ」と笑う思い出がある。連載開始から14年、アニメ化してから10年が経つ女子高生麻雀漫画「咲-Saki-」では、女子高生たちが団体戦で麻雀に青春をかけたが、それに似たチャンスがあったからだ。「麻雀部を作ろうという発想がなかったのは後悔していますね」という二階堂は、今やプロ麻雀リーグ「Mリーグ」の人気選手。時を越えてチーム戦に参加している二階堂に、「咲-Saki-」の魅力や、学生時代の思い出を聞いた。

▶動画:女子高生が戦う人気麻雀アニメ「咲-Saki-」

-「咲-Saki-」という作品が誕生して14年経ちます。すでにプロ雀士でいらっしゃいましたが、作品に触れた時の思い出をお願いします。

 二階堂 試みとして、女性サイドとしてはありがたいものでしたね。麻雀漫画って、当時人気があったのはちょっとダークなイメージな作品で、でもちょっとプロが注目されてきて、作品の中で活躍する存在が出てきたころです。読者の立場からも、視野が広がってきた中で、麻雀そのものをダークからクリーンにしようという活動をしていたプロからすると、学校という場で若い女の子がただひたすらに自分のプライドをかけて、戦っているシーンを取り上げてくれるのは、すごくありがたかったです。

-学生時代「咲-Saki-のように麻雀部があったらどうしましたか。

 中学生の時に、学校に麻雀部があったら、間違いなく入っていましたね。残念ながらなかったんですけど、今考えると立ち上げてもよかったかなと思いますね。自分が中学生の時、もう麻雀は知っていて、友達とかとも打ったりしていたんですが、部活にしようという、そもそもの概念がなかったですし。

 私、演劇部だったんですけど、実は入る2年前に廃部になっていたんです。その演劇部をもう一回立ち上げようって、私を含めて3人で始めたんですね。でもその時、麻雀部でもよかったんですよ、顧問はいたんで。そこで麻雀部にしようっていう発想がなかったのは、後悔してますね(笑)

 今から25、26年ぐらい前に「咲-Saki-」があったら、私も麻雀部を立ち上げてたかなあ。私、演劇部の部長だったんで、麻雀部でも部長やっていたら、もっと楽しかったかもですね(笑)もったいないことしたなあ。

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-高校生が麻雀を打つという作品自体への思いは、どんなものでしょうか。

 二階堂 若い女の子が麻雀をしていること自体が、美しいじゃないですか。それに同世代の子と打つと、意識をすると思うんですよ。バッチバチのライバルというか、より強く意識するんだろうなと。ギスギスするのかなとか、逆にすごく仲良くなるのかなとか。麻雀って人間性が出るって言うじゃないですか。それをどこまで出すのか、出さないのか。駆け引きみたいなものが、よりはっきりしそうなイメージです。

 自分が若いころに、同世代の子と戦うようなことがあれば、もっとバチバチしていたでしょうね。「おめえには負けねえよ!」ぐらいの気持ちでやっていたかもしれない。神経をすり減らすかもしれないけど、そのギラギラしたものが、いい方向に作用するかもしれないじゃないですか。その後の人生に大きく影響する過ごし方ができるかもしれないですよね。

-「咲-Saki-」によって、競技麻雀を見るハードルが下がった感もあります。

二階堂 すんなり入りやすいですよね。やっぱり上の世代だとギャンブルのイメージもあると思いますが、入り方が競技からだと、競技者としてはものすごく助かりますね。それに女子高生麻雀ということで、すごくほほえましい気持ちにもなるし、私みたいにうらやましく思うかもしれないし、とにかくマイナスのイメージが一切ないのがいいですね。

-「咲-Saki-」の世界では数万人単位のファンの前で選手が戦います。

 二階堂  本当に徹底した環境設備があれば、何万人にでもリアルで見てほしいですよね。たとえば国技館の中央に卓を立てて、周りに観客の方がいて、モニターもあって。それはすごく大変だし、選手側も見えたらいろいろと見えたらマズいから、環境を整えないといけないんですけど。でも、そういう中で選手が打つというのは、私も考えたことがあるんですよ。その場面があったらすごいなとか、麻雀がそうなったらすごいなとか。私が生きているうちにそんなことができたら、麻雀が認められた気分がしますよね。

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-周囲で人に見られながら打つのはそれほど違うものですか。

 二階堂 自分はずっとテレビで麻雀を打つ立場にいますけど、どこかリアリティが薄いと感じることもあるんです。実際にリアルで何万人が見ているとなったら、緊張でほとんど人が打てなくなるんじゃないかな(苦笑)卓の周りにいて、3000人、5000人に囲まれていたら「うわー!」ってなると思いますよ。

 昔のタイトル戦は観戦OKだったんです。それでも50~60人、多くて100人ぐらい。一切私語禁止だし、すごく静かな中で打っていても、誰かの吐息とか気配でバレちゃうんですよ。私もそれで国士無双の当たり牌が止まったことがありました。そういうものをなくして環境が整えば、そこでやってみたいプロはいっぱいいるし、逆にやりたくない人もいるかもですね(笑)

 リアルで感じられないような、ものすごく小さな声、息、音も、感じちゃったりするんですよ。こっちも神経ビンビンに研ぎ澄ませているので。目線が不自然に動くとか、顔を見ていなくても、視界に入っちゃうだけで分かります。

-最後に「咲-Saki-」の世界に出てくるような高校生雀士に向けてメッセージをお願いします。

 二階堂 未来は無限に広がっていると思います。プロになるかはひとまず置いておいて、麻雀そのものを楽しんでほしいですね。瞬間でもいいし、長い目で見て成績をつけるのも楽しいし。自分に合った楽しみ方を見つけてもらえればいいと思います。
(C)小林 立/スクウェアエニックス・清澄高校麻雀部

▶動画:人気麻雀アニメ「咲-Saki-」全話無料

咲-Saki- | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
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