実力と運のバランスが絶妙と言われる頭脳スポーツ・麻雀において、長らく語られるテーマの一つが「流れ」だ。ひとことで「流れ」と言ってもその解釈は、調子のいい選手には有効な牌が寄る、前回はこの牌でアガったからまたアガれるといったものなど実に多様で、ある時期からは「オカルト」という呼び方も定着した。一方、確率・統計で考える「デジタル」思考がプロ・アマ通じて基本となってきた中、果たしてトッププロはどう考えているのか。麻雀ニュース番組「熱闘!Mリーグ」で、この永遠のテーマについて3人のトップ選手が語った。
番組に出演したのはプロ麻雀リーグ「Mリーグ」で活躍するKADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)。ゲスト出演していた俳優やべきょうすけから「麻雀に流れはあるのか、ないのか。改めてお聞きしたい」とアマチュア代表として質問を投げかけられると、最初に口を開いたのは岡田だった。「一番流れがないと言っている(U-NEXT)パイレーツが、石橋(伸洋)選手をいきなりあんなに出してくるって。流れですよね?おかしいですよね?」と、とぼけた表情で言及。U-NEXT Piratesといえば、運にとわられないデジタル雀士4人が揃ったチームで知られているが、セミファイナルシリーズでは絶好調だった石橋が多数出場。「『点棒が来ている時』ってパイレーツは言うんでしょうけど(笑)」と、再度ツッコんだ。
続いて答えたのは、ベテランながらスケールの大きい麻雀でファンの心を掴む近藤。驚くような手順で大物手をアガることも頻繁にあるが「流れ」については「みんなが気にしていれば気にします。なるべく気にしないようにはしています」と、自ら積極的に関わることはないとした。対戦者が気にする場合、自分の戦い方もそれに合わせて変わってくるという意味合いのようだ。
最後に答えた白鳥は「流れしかない」ときっぱり。Mリーグの試合中「控室にいて、東場が終わったり、東3局ぐらいで『この人、絶対ラス引くよ』とか言いまくってますし僕はめっちゃ当たります」と、やや誇らしげに断言した。さらには「この鳴き、まずかったみたいなのもあります。そういう人のことを僕は咎人(とがびと)って呼んでるんです。罰を受けるべきだなと(笑)」と、自分に来ている流れを逃すような鳴きについても細かくチェックしている様子だった。
トップ選手でも見解がまとまらない「流れ」論。3人に加えて、U-NEXT Piratesのようなバリバリのデジタル派が入ってきたら、この話はどう発展していただろうか。麻雀が麻雀である限り答えが出ない、永遠のテーマかもしれない。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会
(AbemaTV/『熱闘!Mリーグ』より)