「BanG Dream!」根本雄貴P「アニメは“スポ根っぽさ”を大事にしています」

　放送中のアニメ「BanG Dream! 3rd Season」では、シリーズ初の展開が生まれている。それは、“バンド同士のバトル”。主人公・戸山香澄が率いるPoppin'Party（ポッピンパーティ、以下ポピパ）を始めとしたバンド同士が、武道館のステージを目指して競い合う。

▶動画：感動のラストまであと少し！「BanG Dream! 3rd Season」

　株式会社ブシロード所属で「バンドリ！」チームのチームリーダーを務める根本雄貴氏は、バトルをめぐる描写には苦心したと明かしつつも、「“スポ根っぽさ”を大事にしています」と熱弁した。

―第3期のキャッチフレーズは、「撃ち抜こう、最高の音楽（ユメ）！」とありますね。

　根本　夢を撃ち抜く、つまり『BanG Dream!』というタイトルに込めたものをついに提示するということですよね。今回の第3期では、「彼女たちが見た“夢”とは何なのか？」というひとつのゴールをお見せします。あと見どころとしては、RAISE A SUILEN（レイズアスイレン、以下RAS）結成もぜひ注目してほしいポイントです。2018年1月からバックバンドとして始動して、2018年3月より「THE THIRD(仮)」としての活動を開始しました。2018年7月に正式に「RAISE A SUILEN」として再始動してから、ここでようやくアニメでも朝日六花がRASに加入するのは、自分としても感慨深い展開です。

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―RASは、バンドリ！の中でもとくに激しいパフォーマンスが魅力のバンドですよね。

　根本　RASを作り始めた時点ですでにバンドリ！にはキャラクターが何十人もいて、それぞれ異なるコンセプトのバンドが複数存在していました。その中で他に個性負けしないバンドを新たに生み出すとなると、それまでの世界観や固定概念に縛られていてはいけない。ある意味、“今までのバンドリ！からの脱却”のようなイメージで、楽曲作りやキャラクター作りを進めていきました。

　RASは強敵っぽさ、ラスボス感を醸し出しつつも、嫌われる敵キャラにはしたくない。だから「チュチュはキツいことも言うけど、可愛く見せるにはどうしたらいいか？」などの微妙なバランスを探っていきました。第3期を見たら、皆さんRASのことが好きになるんじゃないかな。#9～#11 を見たら、とくにRASのことが大好きになると思います（笑）

―チュチュとパレオは、まだ謎も多く残る2人ですよね。

　根本　チュチュとパレオの過去が紐解かれる中で、2人のバンドに対する想いも明かされます。とりあえずエンディング映像には注目しておいてください。皆さんが「この子は誰？」と感じる子が混ざっていると思いますので。

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―第3期の“バンド同士が競い合う”というのは、今までのシリーズではなかった展開ですね。

　根本　今までは花咲川女子学園と羽丘女子学園という2つの高校の生徒たちがライブハウスで繰り広げる小さいコミュニティの中での出来事でしたが、それが大会に出場して武道館を目指すとなると一気に話は広がります。競争をめぐる描写については、長い期間みんなで話し合い、かなり悩みました。「このキャラは負けたらもっと落ち込むんじゃないか」とか「落ち込んで引きこもっているように見えるけど、実は部屋ですごく練習しているかもしれない」とか。彼女たちがどんなモチベーションで競争に挑むのか、真剣に考え抜きました。

―泥臭い成長ストーリーもアニメ「BanG Dream!」シリーズの魅力ですね。

　根本　キャラクターの可愛い姿をただ見せるだけだと、他のコンテンツとの差別化が難しいです。1クール3カ月の期間、全13話を通してお客さんにどうやって楽しんでいただくか考えると、やはりシナリオは重視すべきものです。

　アニメ『BanG Dream!』シリーズでは、“スポ根っぽさ”を大事にしています。第2期でもポピパのメンバーたちの関係が危うげになったところから、一致団結してライブに挑む展開があったじゃないですか。そういう熱さは第3期でも大切にしていきたいですね。

【原田イチボ＠HEW】

（C）BanG Dream! Project