ウイルスが体内に残存?抗体レベルが低いケースも? 新型コロナ「再陽性」国内外で事例相次ぐ
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 新型コロナウイルスの「再陽性」に関して中国の研究チームが発表した論文(検証前)が注目を集めている。論文によれば、軽度の感染症状から回復した175名のうち、およそ30%で抗体のレベルが極めて低いことが判明、再び感染する「再陽性」の可能性があるのだという。

 実はこの「再陽性」は、日本を含め海外でも起きているといい、中国・武漢では患者のうち3~10%が再感染。また、韓国では症状が完治、隔離が解除された後で再び陽性判定を受けた人が124に上っていることから、ウイルス変異の可能性についても調査が行われている。

 日本国内でも、退院後に発熱症状が出た再陽性のケースが確認されている。福岡在住の30代女性は3月22日に発熱、24日にPCR検査「陽性」で入院。今月8日に「陰性」を確認し退院したものの、12日に再び発熱し、14日にはPCR検査でまたしても「陽性」となり入院した。また、ダイヤモンド・プリンセス号の無症状感染者90人のPCR検査の結果を経過観察した愛知県の藤田医科大学岡崎医療センターの症例報告によれば、うち18人(20%)が一度「陰性」となった後、次の検査で「陽性」となっている。さらに、11人が2回連続陰性を確認するまでに15日以上を要したという。

 関西福祉大学教授の勝田吉彰氏は「一般論として、感染症に罹ると病原体に対する抗体ができるが、新型コロナウイルスについては再陽性を示唆するデータが出てきているということなので、完全な抗体ができていないのではないか、というのがこの論文の主張だ。査読前のものなので、これをもとに確定したことは言ってはいけないが、30%の人の抗体レベルが低いということは、再感染の可能性はあり得る。また、この論文とは別に、ウイルスが例外的に最大37日間も体内に残っていたという論文もある」と説明。

 「再陽性になるケースには、体内に残っていたウイルスが再び息を吹き返したか(再燃)、免疫がうまくできなかったためにウイルスを跳ね返すことができず再び感染してしまった(再感染)の2つの可能性がある。日本のケースの場合、体の中にウイルスが残っているということを示唆している。また、PCR検査では喉の奥深くに綿棒を突っ込んで検体を採るが、仮に綿棒が触ったところにウイルスがいなければ陰性として判定されてしまう。つまり、感染していても陽性と出てこないということもある。また、免疫についても、予防接種でも起きうることだ。例えば海外に行く人に対して接種する肝炎のワクチンも、後で抗体価をチェックしてみると免疫がついていないということもみられるので、珍しいことではない」とした。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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