コロナ禍で存在感を増すEC リアル店舗からオンライン店舗へのシフトが加速する?
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 巣ごもり消費で売り上げが急増中のネットショッピング。ECサイト約1000社の利用状況をまとめたデータによると、2020年4月の最終週は2019年と比べて注文件数が2.1倍に増えている。

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 都内にある青果店(旬八青果店:大崎広小路店)で、悩みながら商品をカゴに入れていく男性。株式会社アグリゲートの左今克憲代表取締役だ。外出自粛中の人向けに、この青果店と自転車ショップ「STYLE-B」とコラボ。商品の一部を店員がセレクトする「野菜果物・加工品5000円セット」として、1km圏内限定で宅配を行っている。左今氏はこの日、はお客さんを驚かせるため、セット項目にはないカニをサービスした。

 配達を受けた利用者は「ありがとうございます!なかなか買わないんで」と笑顔。彼らが重視しているのが、こうしたコミュニケーションの要素だ。「ネットで注文が入った。それを持って行った。それで終わりじゃなくて、“次もあのお店に行ったら何かあるかもね”みたいな感じで、期待値をちょっとでも上回れるような工夫をしていかないといけないなと」(左今氏)。

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 ECサイトのコンサルタントである株式会社「いつも.」の望月智之取締役副社長は、未来の買い物について、「場所、スタッフがいるのかいらないのかといった店のあり方を、デジタルな社会に合わせて再定義することが必要になってくると思う」と話す。

 実際、新型コロナの影響でおよそ7割が臨時休業(5月3日現在)、その他の店舗でも時間短縮をしている無印良品では、今月から新たにAmazonでの販売をスタートした。取り扱いは約250商品で、収束後も継続する考えだ。「EC強化戦略の一環として無印良品に共感してくださる新たなお客様層の拡大を期待している」(担当者)。

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 ブライダルジュエリーブランド「BRILLIANCE+」ではオンライン上の接客に力を入れており、同社の「オンラインショールーム」では、店員が手元のカメラを使い、巧みに指輪の提案をしていく。一生ものの買い物だが、1時間ほどかけ、デザイン、色、サイズなどの悩みを解決していった。利用者は「家でできるのでちゃんと自分で考えながら冷静な判断ができて、いいものを選べるんじゃないかな」と笑顔を見せた。

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 さらに今月10日まで公開されていた、VR空間上で行われていた世界最大級のイベント「バーチャルマーケット4」には、伊勢丹新宿本店が初出店。実在のスタッフがアバターを使って自宅からリモート接客。三越伊勢丹ホールディングスチーフオフィサー室の仲田朝彦氏は「思わぬものに出会っちゃうというような、そんな偶然の出会いとか、そういった体験があるのが百貨店のいいところ。そういった体験は仮想世界でもきっとできるという可能性を感じている」と話した。

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 作家の乙武洋匡氏は「車椅子ユーザーの視線でいえば、Eコマースの充実は非常にありがたい。デパートでは車椅子でも行きやすい配慮はあるが、個人商店ではどうしてもバリアがあって入れないお店が多い。そういう意味で、家でいろいろ見れるようになるのはありがたい」、外出が減った結果、以前にも増して服をオンラインで買うようになったという池澤あやかは「安いものはばんばん買えるが、大きいものとか高級なものをオンラインで買うのは躊躇する。そういったものはオンライン接客みたいな形で商品説明してくれたり、360度商品が見られたりとか、サイズ感が分かったりした方が買いやすい」と話す。

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 望月氏は「アドバイスをすることは大事だし、店員さんの価値は残っていると思うが、一方でお店は好きだが接客は嫌だという消費者も3割くらいいる。お店が大事なのか店員さんが大事なのかは、きちんと切り分けた方がいい。また、店舗で見て、買うのはネットでという“ショールーミング”が増えていて、すでに家電や本では30~40%がそうなっている。アパレルでも売り上げの20%くらいがECといわれていたが、それがコロナの影響で30~40%ぐらいに上がっていくだろう。逆に言えば5割以上は今も店舗ということだが、全体の売上が落ち込めば維持することはできないし、Eコマースの方に事業を乗せていく必要が出てくる。そこで日本でもオンライン接客が広がってくる。特にアパレルやコスメ、家具や家電はオンライン接客に向いている。しかし、特に大手企業はECに対する認識が薄い」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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