コアな将棋ファンからすれば、この2人のトークに笑いを堪えられるはずもない。中田功八段(52)と豊川孝弘七段(53)が、5月29日に行われた話しながら超早指し戦を戦うという企画で、抜群のトークを展開した。中田八段が辛口を繰り出せば、豊川七段はおやじギャグを連発。放送の聞き手を務めていた中田八段の弟子、武富礼衣女流初段(21)も思わず笑いすぎて「お腹が痛い」と語るほどだった。持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算のルールで行われた三番勝負は、豊川七段の2連勝で終わったが、注目のトーク対決は、以下のように繰り広げられた。
ともに九州在住で、15歳ごろからの付き合い。いいところ、悪いところ、十分に知り尽くしている間柄だ。
武富 お相手の好きなところをお願いします。
中田 仕事がきっちりしているところ。
豊川 人柄。お世辞抜きにね。デタラメでちゃらんぽらんなところは将棋の棋風と一緒。棋風もさばきだし。
武富 では、直してほしいところはどこですか。
豊川 ありすぎて浮かばない!
中田 ちょっと細かいところかな。同じことを言ってくる。
早くも上げて下げてと大騒ぎだが、お互い50代で悩みは似ている。
武富 最近の悩みをお願いします。
豊川 加齢。もう全てですね。
中田 将棋が弱いこと。お酒も弱くなったね。
対局が序中盤までは、質問にも考えて応じていたが、超早指し戦が終盤に差し掛かると、もはや質問どころではない。
豊川 いやいや、コマネチ! ※困った
中田 この人、デタラメやってくるからなあ。
豊川 デタラメなんて冗談、やめてちょんまげ。
中田 あー!(頭を抱える)
豊川 下手くそな将棋指しだねえ。
中田 (持ち駒)何枚持ってんだよ!
豊川 (金銀)四枚道達也! ※現役棋士に三枚堂達也七段がいる。
もはや指し手とトーク、どっちで優れば勝ちなのか、というほどの激戦が繰り広げられた。なお、対局が終わった後の会話はこんな具合だ。
中田 なにを、ご機嫌な顔してんだよ!
豊川 勝つとうれしいっすね(笑)プロになって何十年ぶりに将棋が楽しかったですね。(早指しは)昔で言えば10分切れ負けみたいな。少年時代の感じだね。
中田 ルールに関することは全然大丈夫。(オンラインで)対戦相手のニコニコ顔が映ってるのがね…。おれが画面を消せばいいのか!
(ABEMA/将棋チャンネル)